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Vol.2181 藤川誠さん『M'S TAP FACTORY29周年記念公演』その@
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1990年代にファンキーなスタイルで日本タップ界に旋風を巻き起こした藤川誠さんのM'S TAP FACTORYが29周年をむかえ、記念公演をラゾーナ川崎プラザソルで開催しました。つまりはプレ30周年、来年はさらに馬鹿でかい企画があるという訳なのですね。
開場の30分前には既に20名以上の方が並んでおりその熱さを感じました。藤川さんからご招待頂いたので受付にチケットを頂きにうかがうと、何と主宰の藤川さん自身が《置きチケット担当》をされてるのでビックリ。さっそく記念写真をぱちりと撮らせて頂きました!
私は最前列に着席しましたが後ろにはキャストの伊庭さんという男性の方の女性ファン3人が伊庭さんの顔写真の付いた派手なうちわ(コンサートとかで販売されてるやつ)を手にしてスタンバイされてました。本番中、伊庭さんが登場するとうちわを振ってました。笑えました!
藤川さんがプログラムで述べている様にここ4〜5年の作品を集めたそうですがどうしてどうして中々力作揃いでした。
オープニングでの5分以上のアカペラこそが藤川さん率いるM'sの現在の実力を見せつけた作品。長年鍛えられてきた藤川さんの振付力と構成力が存分に発揮されていて感動しかありません。お弟子さん達も聴かせる!聴かせる!
藤川さんの振付と言えばデューク・エリントン作曲の“キャラバン”の様なスイング・ジャズでも既製のタップのリズムとは全く異なるオリジナリティ溢れるリズムで引っ張ってくれます。心地よいリズムを聴いていると「ああ、藤川さんだなぁ」と嬉しくなります。
また、比較的年長者トリオの皆さんが踊られた“カントリー・ロード”でも難しいステップを踏んでる時でも笑顔絶やさず本当に楽しそうでこちらまで笑顔になりました。オーバーオールの衣裳もチャーミングでした。指導がお上手なんですね!
藤川さんが“テイキン・ア・チャンス・オン・ラブ”でキャスト最年少の女の子とデュエットされましたがスラッとしていて中学生にしか見えず踏み方も流石でした。歳の差なんて全然感じなかったです。
藤川さん、多分メンバーの子達との歳の差コンプレックスからカッコイイ“キュート”のタイトルを《Gy Gy との戯れ》にしたのでしょうが、ストップ・タイムの藤川さんのソロなんかは凄く際立ってましたよ!
ソロと言えば今回3人の方が自作自演で踏まれてました。18歳の大野さんは決して出しゃばらず、心の底から幸せそうにステップを踏んでいて『2023年の川崎タップフェスティバル』の大人部門でグランプリを受賞された女性タップダンサーの方を思い出しました。
男性のK-TAさんのソロを客席から見るのは初めてでしたが(映像で見たときと違って)彼の創り出す世界観をじっくり拝見出来たのは大収穫でした。身体全体からのパワー、指先まで感情がこもっているし芝居心があるのでグイグイ作品に引き込まれました。改めて舞台の人なんだなぁ、と思いました。
星野さんは以前『2022年の川崎タップ・フェスティバル』で男性の方とデュエットした時の印象が強く、他のメンバーより大人っぽい雰囲気をお持ちなので今回ソロでしっかりとご自分を出せたのでは無いでしょうか?
適材適所、これもお弟子さんへの藤川さんらしい愛情の掛け方です。
つづく
天野 俊哉
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