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Vol.2084 もうすぐ生誕100年ダイアナ・リンA〜才能溢れるティーン・スター
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1940年代から50年代にパラマウント映画で活躍したダイアナ・リンを取り上げてます。10代でジンシャー・ロジャース、ベティ・ハットン、ビング・クロスビーら当時の大スターとの共演で芸達者な所をみせたダイアナさん、パラマウント映画で有望な若手スターの地位を確立しましたが映画のタイトルより前に名前が出る大スターではありませんでした。
人気ラジオ番組の映画化である『マイ・フレンド・アーマ』(1949)で初めて成人女性らしいヒロイン役が付きました。
が、ダイアナさんの不運はここら辺から始まったのでは?と思いました。
まず、主演のジョン・ランドという俳優はどの映画を見てもつまらないのにこの作品では口八丁手八丁のマネージャー役を実に上手く演じて成功しています。その恋人役で、タイトル・ロールのアーマを演じたマリー・ウィルソンがもう“第2のベティ・ハットン”。実はダイアナさんでなくマリー・ウィルソンの方がヒロインなのです。さらにパラマウント映画が売り出し中の人気コメディ・チームのディーン・マーティン&ジェリー・ルイスがこの作品でデビューしたのです。もうダイアナさんは芸達者な彼らの交通整理をするだけの存在でした。この映画を見ながらダイアナさんの雰囲気とか、ハスキー・ヴォイスがMGM映画のジューン・アリスンに似ているなと思いました。
映画自体は好評で続編『マイ・フレンド・アーマ ゴー・ウエスト』(1950)も作られました。
パラマウント映画の専属女優のダイアナさんがMGM映画に貸し出されて出演したのが『ザ・ピープル・アゲインスト・オハラ』(1951)というハリウッド映画きっての名優スペンサー・トレイシー主演の犯罪映画でした。監督が後に『荒野の七人』『大脱走』等を手掛けるジョン・スタージェス、実力派俳優のパット・オブライエンやジョン・ホディアクらが脇を固めます。実に男臭い犯罪映画でのダイアナさんはトレイシーの“父親思い”の娘の役でした。まさかジューン・アリスンの代役ではないとは思いますが出演の経緯は謎であります。MGM映画の名デザイナー《ヘレン・ローズがダイアナ・リンさんの衣裳をデザイン》とタイトルに出るのはかなりスペシャルな扱いです。ひょっとしたら本当にジューン・アリスンの代役だったのかも知れません。アリスンさん、当時ご懐妊でフレッド・アステアとのミュージカル映画『恋愛準決勝戦』も降板しています。
もう少しつづく
天野 俊哉
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