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Vol.2083 もうすぐ生誕100年ダイアナ・リン@〜才能溢れるティーン・スター
 1940年代から50年代にハリウッド映画で活躍したダイアナ・リンを取り上げます。ダイアナさんには天才少女ピアニストの時代があったそうですが詳しい事は分からないので今回は割愛します。

 オードリー・ヘップバーン主演の『麗しのサブリナ』やマリリン・モンロー主演の『お熱いのがお好き』で知られるビリー・ワイルダーの映画監督デビュー作が『ザ・メジャー&ザ・マイナー』(1942)。これは、ハリウッド・ミュージカルきっての名ダンサーである当時31歳のジンシャー・ロジャースを11歳の少女に化けさせるという凄いアイデアの傑作コメディ。男性ばかりの陸軍士官学校に潜り込んだスッピンのジンシャーの素性をいち早く見破るずる賢い少女役が当時15歳のダイアナさん。アカデミー主演女優賞まで受賞しているジンシャー相手に貫禄の芝居をみせます。

 続いてパラマウント映画で天才コメディ作家と呼ばれたプレストン・スタージェス監督の『ザ・ミラクルズ・オブ・モーガンズ・クリーク』(1944)でベティ・ハットンの妹役に。調子っぱずれのピアノを聴かせるのですがかなり難しい外し方をする辺りはさすが名ピアニスト。ベティ相手にさらに貫禄の芝居をみせます。小粒ながら向かうところ敵無しの状況。

 パラマウント映画が若手スターのゲイル・ラッセルとダイアナさんをコンビで売り出したのが『桃色の旅行鞄』(1944)です。コメディに向かないゲイルさんは主役なのに後半出番が減ってしまいダイアナさんが一気に目立つ事に。脚本の出来が悪くて全く笑えません。

 第2次世界大戦中にパラマウント映画のスターを集めて製作されたオールスターキャストによる『ハリウッド宝船』(1945)ではついにパラマウント映画というかハリウッド映画の歌のキング、ビング・クロスビーと最前列に並んで歌ってしまったダイアナさん。『桃色の旅行鞄』で共演したゲイル・ラッセルら他の若手スターは後ろの方にひっそり。年齢より5歳は若く見えたダイアナさんは10代でパラマウント映画で将来有望な若手スターの地位を確立したようです。

 つづく

天野 俊哉



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