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Vol.207 東京リズム劇場2010〜私が知っているエピソード集〜
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その1
「タップ名作劇場」で、毎回すばらしい演技を見せている冨田先生と押田先生。
今回は「リズムの国のアリス」でアリスとウサギの競演でした。
お二人のセリフから。
アリス「ところで1日何レッスンくらい受けてるの?」
うさぎ(指を折りながら数えて)「5レッスンくらいかな」
アリス「それ、受け過ぎでしょ!!」
以上が稽古場での流れでしたが、何公演目からか、
うさぎ「5レッスンくらいかな」
の次に、
アリス「気づいてる?あなたの指って4本よ」
という、冨田先生らしいアドリブが加わりました。そう、押田先生のうさぎの着ぐるみは、忠実に再現されていたので4本指だったのですね。このアドリブが加わった公演のあと、楽屋でずっと台本を読み返している押田先生。「どうしたの?」と聞く私。「自分のセリフに戻れなくて」と困った様子。
お客様の反応を見てどんどんアドリブを入れて遊ぶ冨田先生に対し、押田先生はあくまでも、台本どおりきっちり演技をするタイプだったのですね。お二人の性格の違いに笑ってしまいました。
その2
「タップ人生ラリー」で「普通のサラリーマン」役の私の左に、「結婚する女」役の冨田先生がいます。ピアノ柄のバッグとあの服装、皆さま気づかれましたか?
そう、「のだめカンタービレ」の野田恵なのです。
ラリーの途中、スタジオの結婚ラッシュで、元気に手を上げて指輪をはめる時、実は冨田先生はあるセリフを言っているのです。
「千秋せんぱいっ!」と。
台本や演出にない、細かな役づくりはさすがです。ちなみに、冨田先生は「のだめカンタービレ」のファンなのだそうです。
その3
同じ「タップ人生ラリー」子どもから手が離れ、はじけている主婦役の淺野先生。本番直前まで「自転車で転倒する主婦役」だったのに、劇場入りするその日に「階段で足を踏みはずす主婦役」に変更。
実は、淺野先生、その1か月位前に、考え事をしていて駅の階段でコケ、痛い思いをしていたのです。あまりのキャスティングに笑っていいものかどうか・・・
さて本番当日、楽屋口に現れた淺野先生の右手には大きなビニール袋が。それがなんとトイレットペーパーなのにびっくり。演出の松本先生も手をたたいて大喜び。舞台上ではそのトイレットペーパーの袋を持って、思い切りコケてました。
役作り、演技へのこだわりは、冨田先生といい、淺野先生といい、頭が下がります。私ももっと、もっと見習わなければいけませんね。反省!!
天野 俊哉
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