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Vol.2061 もうすぐ生誕100年ポール・ニューマン〜ハリウッドの反逆児と呼ばれてD
 ハリウッドには女優がいなくても十分に成り立ってしまう、男だけの世界でイキイキしてしまう俳優がおります。エドワード・G・ロビンソン、ジェームズ・キャグニー、ジョン・ウェイン、ヘンリー・フォンダ、ランドルフ・スコット、スティーブ・マックイーン、クリント・イーストウッド等。どうやらギャング映画や西部劇の俳優が多い様ですがポール・ニューマンも不思議とこんな男臭いグループのが良いみたいで。

 ポール・ニューマンの83年の生涯の折り返し地点とも言うべき1960年代後半にポールが出会ったのが西部の世界に生きたアウトロー、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの物語でした。
 製作された1969年は『イージーライダー』『真夜中のカウボーイ』『俺たちに明日はない』などニュー・シネマの名作が目白押しでした。そんな時代に製作のジョン・フォアマン、監督のジョージ・ロイ・ヒルは全く新感覚の西部劇を作ってしまいました。ポールの相棒役にはウォーレン・ビーティ、マーロン・ブランド、スティーブ・マックイーンなどの大スターが候補に上がったそうですがタイトルに載せる名前の序列で揉めて辞退したそうです。

 そんな時、ポールの奥さんで女優のジョアン・ウッドワードが推薦したのがまだヒット作にめぐり逢えていなかったロバート・レッドフォードでした。ポールとロバート・レッドフォードのコンビはそれまでの西部男よりも都会的で、ハンサムで、スタイリッシュなのでジョン・ウェインらが築いてきたアメリカン西部劇を一気に化石にしてしまいました。ポールはロバート・レッドフォードの遅刻癖以外は全て気に入ったそうです。

 ハードなアクション映画かと思いきや、ポールがキャサリン・ロスを自転車に乗せてサイクリングをする場面でガラッと映画のムードを変えてしまいます。この場面でバックに流れるのがバート・バカラック作曲の“雨にぬれても”です。ポールが吹き替え無しで見せる自転車の曲乗りも凄い!この場面、実に健康的なラブ・シーンとして成立しているのはジョージ・ロイ・ヒル監督のセンスの良さなのでしょうね。

 掠奪を繰り返すアウトロー物ながらポールとロバート・レッドフォードのコンビが素敵すぎてラストも悲壮感を感じさせません。現在残されたフィルムでは2人の死を暗示させるだけですが、DVDのメイキング映像によるといくつかのバージョンが用意されていたとか。観客はヒロインのキャサリン・ロスの存在すらサッサと忘れて野郎2人にのめり込んでしまい、終いには彼らの悪事を応援してしまうのですから現金なものです。

 ポール・ニューマンはこの後、いくつかの価値のある作品に主演しましたが、大ヒット作品は1973年にロバート・レッドフォードと競演した『スティング』までお預けになります。

 まだまだつづく

天野 俊哉



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