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Vol.2049 もうすぐ生誕100年ロック・ハドソン〜ハンサム・ガイ
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今回は、1950年代から60年代にかけてアメリカでも日本でも人気の高かった2枚目映画スター、ロック・ハドソンを取り上げます。
ユニヴァーサル映画でアクション映画の脇役からスタートしたロックは190pを越す長身、親しみやすい笑顔、低くて渋い声を持つ当時のアメリカの理想的なハンサム・ガイでした。同時期にデビューしたトニー・カーティスにやや遅れをとっていましたが、ロマンス映画の巨匠ダグラス・サーク監督の希望で『心のともしび』でアカデミー賞女優ジェーン・ワイマンの相手役に抜擢され、ロックはトップ・スターの仲間入りをしました。
さらにサーク監督の『風と共に散る』、ワーナー映画大作の『ジャイアンツ』、ヘミングウェイ原作の文芸大作『武器よさらば』など話題作に主演しました。不思議なのは『風と共に散る』ではロック以外のローレン・バコール、ドロシー・マローン、ロバート・スタックらが、『ジャイアンツ』ではロック以外のエリザベス・テイラー、ジェームズ・ディーンらが、武器よさらばでもジェニファー・ジョーンズ、ヴィットリオ・デ・シーカらが熱演してアカデミー賞にノミネートされたり受賞してるのに我らがロックは完全にスルーされているのです。ただ、これはロックが大根役者という事ではなく、熱演せずとも主演男優としてセンターに立つことでその作品が成り立ってしまうのです。もう生まれながらのスターなんですね。
1960年代初め、ユニヴァーサル映画は『夜を楽しく』『恋人よ帰れ』『花は贈らないで』等のロマンチック・コメディでロックとドリス・デイを組ませ大ヒットを記録しました。ロックの第2全盛期とも言えますが、ハリウッド映画界は既にスター時代が終わり映画はリアリティーを求めるようになりました。そんなロックですが、コメディばかりの主演作品の中に『セコンド』というジョン・フランケンハイマー監督の問題作があり、2022年の今観ても全く古くなっていない題材です。ロックはアカデミー主演男優賞にノミネートされたそうです。その後もミュージカル映画の女王ジュリー・アンドリュースと大作『暁の出撃』に主演したりして元のロック・ハドソンに戻りました。さらに『マクミラン』というテレビ・シリーズにも主演して成功しました。
今日、ロック・ハドソンがエイズにかかり死期を目前に自叙伝を出版した事は良く知られています。自分の全てを赤裸々に語って59歳で天に召されました。あと25年遅く生まれていたらもっと幸せな一生を送ることが出来たに違いありません。
天野 俊哉
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