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Vol.2046 祝!生誕97年ディック・ヴァン・ダイクA〜『何という行き方』
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『メリー・ポピンズ』の名優ディック・ヴァン・ダイク、1925年12月25日生まれですので97歳になったばっかりです。1963年にブロードウェイ・ミュージカル『バイ・バイ・バーディー』の映画版でハリウッド映画デビューした我らのディックはスターの仲間入りをしました。
『何という行き方』(1964)
1960年代のアメリカでは往年のハリウッド映画スター達にはテレビで活躍するチャンスが残されていましたが、時には映画でもスター・システムを活かした企画もありました。1964年に製作された『何という行き方』はまさにそんなオールスター・キャストによるエンタテインメント大作でした。当時のトップ女優シャーリー・マクレーンをヒロインにハリウッド映画の大スター6名をずらり並べたミュージカル・コメディ。
通し役として登場するボブ・カミングスは1930年代から活躍している俳優さん。
ベティ・グレイブルと共演したミュージカル映画『ムーン・オーバー・マイアミ』では器用に歌っています。地顔が何となくコミカルゆえにサスペンス映画に出ても緊迫感ゼロ。それでもアルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス巨篇『逃走迷路』が代表作。かつてはロバート・カミングスとして映画出演してました。
最初のエピソードに登場するディックは映画ではまだまだ貫禄不足。白黒のサイレント映画みたいなシャーリーとのコント場面がディックらしくて楽しい。でもこの映画にキャスティングされたのは凄い事ですが、9歳年下のシャーリーよりも若く見えるのは皮肉!
歌手でコメディアンのディーン・マーティンは上手い役者になりました。フランク・シナトラのラット・パックというグループの一員としてハリウッド映画やラスベガスで大活躍。代表作はオリジナル『オーシャンと11人の仲間たち』。飛行機が苦手なので生前来日コンサートが開けなかった!
名作『ハスラー』に主演したばかりのポール・ニューマン。当時一番の大スターです。パリの芸術家を楽しそうに演じていますが絵を描く機械の存在がポールを邪魔をしてしまい、結果あまり面白くないエピソードになってしまったのは残念。
本来シャーリー・マクレーンとの共演など縁の無い大スターがロバート・ミッチャム。アクション映画や犯罪映画がお得意だからです。代表作は『帰らざる河』。この作品の見せ場であるシャーリーのファッション・ショーに凄く退屈そうな表情で付き合ってます。撮影大変だったろうな?
さて、映画の終盤になって静かに登場するのがジーン・ケリー。田舎の冴えないカフェでクラウンをやりながら細々と生きている。ある日素顔で店に出たことでまさかのスター街道へ。ストーリーも演出もジーン自身が担当したに違いありません。カフェでジーンが歌うバラードが中々良い雰囲気で、塩をフロアにまいて踏むタップダンスも素敵です。夢の場面での大きな船の甲板のセットが見事!ジーンとシャーリーのタップ・デュオも最高です。これではディック・ヴァン・ダイクの出番はありませんね。
ディックには『ディック・ヴァン・ダイク・ショー』というアメリカで大変人気のあったテレビ・ショーのホスト役があり、1961年から1966年まで6年も続いたそうですので、ハリウッド映画への出演はあくまでも仕事のひとつに過ぎなかったのかも知れません。そんなときウォルト・ディズニー自身がディックにハリウッドで製作される新作の主演男優に、と声をかけてきました。
伝説のはじまりです。
つづく
天野 俊哉
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