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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.202 こんな映像がありました
 「エディ・フィッシャー・ショー」のビデオを探していたら「1954年のアカデミー賞授与式」というのが出てきました。アカデミー賞の長い歴史の中で、正規ルートで映像販売されたのはこの「オスカー・ナイト」だけです。
 登場するほとんどのスターは故人ですが、あまりのすごい顔ぶれに絶句。ベティ・デイビス、ハンフリ・ボガート、オードリー・ヘプバーン、フランク・シナトラ、ウィリアム・ホールデンなど、一人でも十分見ごたえのあるスターばかりなのです。何といっても2年後モナコ王妃になるため女優を引退することになるグレース・ケリーが、オードリーとともにキラキラ美しく、この授与式を華やかなものにしています。デビット・ローズのフル・オーケストラが豪華なオーヴァチュアを聴かせるだけでなく、そのスターたちの登場に合わせて演奏する短い音楽も見事です。司会のボブ・ホープをはじめ、ビング・クロスビー、ジェリー・ルイス、ディーン・マーチンら、歌や笑いのゲストも一流です。
 ただし、ハリウッドのパンテージ劇場とニューヨークを二元中継するという、いかにもテレビ時代を感じさせる構成は、古き良き時代を愛する私としてはさみしいですね。さらに、この年作品賞をたっぷり受賞した「波止場」が圧倒的な存在感を示しており、ニューヨーク出身のマーロン・ブランドとエヴァ・マリーセイントの主演コンビは、ハリウッド(映画時代)を一気に過去のものにしてしまいました。とはいっても素直にオスカー像を受け取ってニッコリほほ笑む若きブランドはチャーミングです。
 それとは逆に、「赤狩り」事件で良くも悪くも有名なエリア・カザンが、監督賞を受賞した時の険悪なムード(まばらな拍手やブーイング)は、晩年にもう一度特別賞を受賞した時とまったく同じであり、今更ながら「赤狩り」事件の暗い影を見せつけられるワン・シーンでした。画面に大写しにされたカザン監督が、まるで取り調べを受けている犯罪者のような表情をしていたのが印象的でした。

天野 俊哉

写真 上から
ハンフリー・ボガート
フランク・シナトラ
グレース・ケリーとウィリアム・ホールデン
オードリー・ヘプバーン
マーロン・ブランド
(オスカー像に向かって「お前って重いんだな」とつぶやく)
エリア・カザン監督








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