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Vol.1999 もうすぐ生誕100年ドナルド・オコナー(その1)〜ドナルドさんとの出会い
 1925年8月30日生まれのドナルド・オコナーさんはミュージカル映画の名作『雨に唄えば』の大スター。アメリカを代表するダンサーでありコメディアンです。日本では残念ながら主演映画がほんの数本しか劇場公開されておりません。
 現在ではYouTubeを検索すればその才能あるパフォーマンスを直ぐに観ることが出来ますが、YouTube以前に私がドナルドさんの主演映画ミュージカル映画のほとんどを観るまで何と40年もかかってしまいました。

《バスター・キートンを演じた男》
 12歳の夏、私はハリウッド映画の喜劇王チャールズ・チャップリンと並ぶバスター・キートンの存在を知りました。日本では1972年にその半世紀も前に全世界で人気のあったチャップリン映画のリバイバル上映をスタートして大ヒットさせました。少し遅れてキートン映画のリバイバル上映もスタートしたのですが、泣かせて笑わせるチャップリン映画に違和感があった12歳の私にはアクロバティックでスピーディーでブラックな笑いのキートン映画はぴったりでした。
 それまで映画なんてテレビで観るだけだった私が有楽町のど真ん中にあったニュー東宝シネマ2という映画館に1人で出掛けたのが1973年8月の事。短編映画『キートンの鍛冶屋』と長編映画『キートンの蒸気船』の2本立て。こんな映画のロードショー上映に両親はよく私1人を行かせたものですね?
 バスター・キートンをもっともっと知りたかった私は映画のプログラム150円に加えてキートンを特集した600円の小冊子まで買いました。
 この日から寝ても覚めてもキートン、キートン、キートン、あっという間にキートン博士になりました。キートン小冊子にはパラマウント映画が『バスター・キートン物語』という伝記映画のエピソードが綴られており、演技指導するキートンと共に写真に写っていたのがキートン役のドナルドさんでした。私とドナルドさんとの出会いであります。

《ドナルドさん見たさでの『雨に唄えば』》
 1974年6月のある日、テレビ東京の午後3時からドナルドさんの映画が放映される!
 タイトルが『雨に唄えば』。
 新聞にはジーン・ケリーの名前が最初でした。サイレントからトーキー時代を迎えた1920年代のハリウッド映画界を描いたミュージカル・コメディだと。
 文京区大塚にある学校から走りに走って1時間かけて帰宅してテレビを付けたらオープニングのタイトルが流れていました。まだホームビデオが無い時代なので映画を観るにはこれしかないのですね。
 後年この時の放映バージョンをチェックしたらミュージカル・ナンバーは5曲位(ほとんどが放映時間の都合でカット)でしたが私はこの『雨に唄えば』が大好きになりました。ジーン・ケリーとドナルドさん、そしてデビー・レイノルズの映画をもっと観たくなりました。

《ニューヨークでロードショー公開された
『ザッツ・エンタテインメント』》

 13歳の頃、大塚駅前に今でもある小さな書店で購入していたのが『キネマ旬報』誌でした。私がテレビで『雨に唄えば』を観たちょうど同じ1974年6月にニューヨークでロードショー公開され大ヒットしたミュージカル映画の事が記事になっていました。
 タイトルは『これが娯楽だ』。
 今でも覚えている文面が「ライオンのマークで有名なMGM映画が創立50年を記念して作られたミュージカル映画大作で大変出来が良いらしい」と。そのコメントの後に出演者としてフレッド・アステア、ジーン・ケリー、フランク・シナトラに混じってドナルドさん、デビー・レイノルズの名前がありました。
 凄い!
 もう何がなんでも『これが娯楽だ』を観たい!と願った私ですが、大きな問題があり「本年(1974年)3月をもってMGM日本支社は閉鎖されており、配給の予定は全くの未定」と記事の最後にありました。ちなみに記事と共に掲載されていたのは『雨に唄えば』のスチル写真ではなくストライプのスーツを着て踊っているフランク・シナトラとジーン・ケリーの『私を野球に連れてって』のスチル写真でした。
 程なくして日本では絶対にヒットしないと言われてきたミュージカル映画をまさかの松竹富士という配給会社が輸入して、しかも『これが娯楽だ』ではなく原題の『ザッツ・エンタテインメント』なる長い長い長いタイトルで日本でロードショー公開する事になりました。年末に『ザッツ・エンタテインメント』のサントラ盤LPレコードを3500円で購入しました。毎日擦りきれるまで聴き続けて翌1975年春のロードショー公開に備えました。
 ドナルド・オコナーさんは何処に?

 つづく

天野 俊哉



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