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Vol.1940 もうすぐ生誕100年トニー・カーティス〜甘いマスクの2枚目俳優
 1925年生まれのハリウッド・スター、トニー・カーティスと言えば“甘いマスク”、脇役時代の映画『裏切りの街角』や『ミート・ダニー・ウィルソン』を観てみるとホンのチョイ役程度でもインパクトが強い事に驚きます。
 フランス映画のアラン・ドロンと同じでマスクが甘すぎるので《俳優》としてよりも《2枚目》の部分が強調されてしまいますが、プロデューサーも兼ね自分よりも演技や人気で格上の俳優達(バート・ランカスター、カーク・ダグラス、マリリン・モンロー、ジャック・レモン、ジェリー・ルイスetc.)と共演して自分をのばす、という才能がありました。
 そんなトニーですが声はあまり甘くなくてややハスキー、逆に日本のテレビ放映でトニーの吹き替えを担当していた広川太一郎さんの声が凄く素敵で甘いので私は未だに実際のトニーの声にシックリゆきません。

 トニーは1950年代にユニヴァーサル映画の2枚目スターとして活躍。海賊映画、ボクシング映画、西部劇、コメディそれにミュージカルまで様々なジャンルの作品ばかり。恋人役はパイパー・ローリーやモナ・フリーマンみたいな可愛い女優さんばかり。どの作品も魅力的でしたが、中でも当時トニーが結婚していたジャネット・リーと共演した奇術師ハリー・フーディニの伝記映画『魔術の恋』は最高の出来でした。

 『空中ブランコ』『成功の甘き香り』で先輩俳優で映画プロデューサーとして成功していたバート・ランカスターと共演した1956年あたりから俳優としてさらに飛躍しました。先日亡くなったシドニー・ポワチエとの『手錠のままの脱獄』、ケイリー・グラントとの『ペティコート作戦』、マリリン・モンローやジャック・レモンとの『お熱いのがお好き』、カーク・ダグラスとの『バイキング』など名作ばかりでした。中でもアメリカ・コラムニスト界の裏側を描いた『成功の甘き香り』でのトニーの演技が素晴らしい!

 1960年代はコメディ作品を中心に活躍し、ナタリー・ウッドやジャック・レモンと『グレート・レース』、ジェリー・ルイスとは『ボーイング・ボーイング』で共演。私はこの2本を1975年に渋谷の名画座まで観に行きました。その頃トニーが007俳優のロジャー・ムーアとダブル主演したテレビ・シリーズが日本でも放送されていてクラスの映画ファンの間ではかなり話題になっておりました。ちなみにこのドラマでロジャーの吹き替えを担当していたのは、ささきいさおさんでしたが、007ジェームズ・ボンド役の時に吹き替えを担当していたのは奇しくも広川太一郎さんでした。

 1980年製作のアガサ・クリスティ原作の『クリスタル殺人事件』ではハリウッド映画時代のスター達と競演、アンジェラ・ランズベリーとエリザベス・テイラーはMGM映画出身の大スター、トニーとロック・ハドソンはユニヴァーサル映画出身の大スター、そしてキム・ノヴァクはコロムビア映画出身の大スターでしたので豪華なキャスティングが楽しめました。

 トニーは2010年に85歳で亡くなりましたが、DVD時代に上手く乗れたお陰で沢山のインタビュー映像が残されています。広川太一郎さんの日本語吹き替え版ではありませんでしたが。
 今回はハリウッド映画の甘いマスクの2枚目俳優トニー・カーティスを取り上げました。

天野 俊哉



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