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Vol.192 タップもうまかった!元クレージーキャッツ谷啓氏追悼
 今年で3回目になる「したまちコメディ映画祭in台東」というイベントが秋に行われ、今回はクレージーキャッツが大きく特集されました。最終日のセレモニーの目玉が「コメディ栄誉賞」の表彰で、元クレージーキャッツの谷啓氏の受賞が決まっていましたので、その一週間前の9月11日に事故で亡くなってしまったことになります。私はこのイベントに行きませんでしたので、あくまでも「お祭り」として通したのか、「追悼」になったのかはわかりません。
 私にとっての谷啓氏は、コメディアンではなくトロンボーンの名手です。クレージーキャッツはというと、偉大なるコミックバンドのひとつ、という位置づけでしょうか。(私世代はどうしても、クレージーキャッツの後輩、ザ・ドリフターズがNo.1であり、それはちょっと譲れない感じですね。)
 渡辺プロダクションと東宝が組んで何10本も作った「クレージー映画」を、実は一度も面白いと思ったことがなく、逆に、日本テレビの「シャボン玉ホリデー」での音楽や楽器がらみのギャグのセンスは見事でした。谷啓氏の「ガチョーン」も、植木等氏の「お呼びでない」もそこから生まれたものですし・・・
 クレージーキャッツのメンバーがバラバラに活動していた頃、谷啓氏には「すてきなあなた」(フジテレビ1982〜1983)というバラエティ番組がありました。浅野ゆう子さんを中心に、由利徹氏、谷啓氏、振付師の小井戸秀宅先生と西条満先生がメインキャスト。「シャボン玉ホリデー」「ゲバゲバ90分」などと同じく、ギャグと音楽で構成された番組で、谷啓氏は音楽スタッフも兼ねて、とても生き生きしていました。ボソボソしゃべる由利氏とのコンビは、それそれのペースでやかましく喋るクレージーの人たちとよりも合っていたような気がします。
 その「すてきなあなた」の「クリスマス特番」の映像が手元にあります。この回だけ、やけにセットが豪華なので不思議に思いましたが、当時の高視聴率番組「新春かくし芸大会」のセットを拝借して作ったためでした。振付は牛丸謙先生で、ご自身も出演しています。5曲のタップナンバーがあり、浅野ゆう子さんが白のロングドレスで歌う「Blue Christmas」で、谷啓氏はソロタップを披露。カンカン帽に入っている砂を撒いてのソフトシューズで、なかなか味がありました。先ほどご紹介したメイン・キャストの方全員がタップ・シューズを履いて、吹き替えなしで踏んでいたことにとても感動したものです。昔の芸能人は、タップ・ダンスのような芸を「たしなみ」の一つとして学んでいたものでした。今テレビで活躍されている「お笑い」の方たちの中に、そんな「地道な人」がいることを願いますね。
 谷啓さんのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉















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