|
|
| | |
|
|
|
|
| | |
|
Vol.191 日本を舞台にした変なハリウッド映画 戦後の巻
|
|
その1「東京暗黒街・竹の家」(1955)
奇才サミュエル・フラー監督によるオール日本ロケーションで作られた最初のハリウッド映画。
日本を舞台にした映画としては頂点ともいうべき迷作です。
ロバート・スタック、ロバート・ライアンといったスターに加え、日本からは山口淑子が顔をそろえました。
日本人が多く出演しているにもかかわらず、あってはならないミステークが続々登場します。
まず、アメリカ人たちは日本家屋で誰ひとり靴を脱ぎません。日本人は誰も注意出来なかったのでしょうか?
さらに彼らは日本人が風呂につかりながら食事をすると信じています。
「日本女性は男に尽くす」という描き方もいくら昭和30年代とはいえ時代遅れだったはず。
一応スパイものなので、東京での追っかけシーンは楽しめました。
隅田川沿いに立っていることで絵になる浅草の松屋デパート。その屋上にあった遊園地でのドンパチがこの作品のクライマックスに使われています。私など幼いころに両親に良く連れて行ってもらったので、個人的には懐かしい場所です。
写真上から
・松屋デパート
・国際劇場
・オート三輪
・お風呂で食事?
その2「サヨナラ」(1957)
相変わらず奇妙な場面の連続ながら、人種問題などを取り上げた前向きな作品です。
ヒロインの日本女性が神戸にある女性ばかりの歌劇団(宝塚やSKDというより、OSKの雰囲気です)のトップスターという設定にビビリました。一応男役スターでありながら、簡単にマーロン・ブランドと恋に落ちるストーリー展開は、説得力に欠けます。
また、全寮制の宿舎、稽古場のセットは寺などの日本の伝統建築を模していて、何か暗くて不気味な感じです。
レヴューシーンも、曲のせいなのか、衣裳のせいなのか、趣味の悪さが目につきました。
助演コンビのレッド・バトンズとナンシー梅木の方はもう少しまともな描き方をされていているのに、最後は心中とはひどい・・・。
さて、この作品で唯一凄いなと思わせたのが「ナカムラさん」役のリカルド・モンタルバンです。
彼はメイクで日本人になりきったうえ、歌舞伎役者として舞台上で女形と鏡獅子を吹き替えなしで演じています。その完成度の高さには、ただただ、びっくりしました。1940年代のMGMミュージカルでラテン系ダンサーとしてアン・ミラーやシド・チャリスと踊っていた人なので、プロ意識がそうさせたのでしょう。
要チェック作品です。
写真上から
・リカルド・モンタルバン、日本人「ナカムラさん」になる
・女形
・鏡獅子
・笑顔がまぶしいラテン・ラバー、モンタルバン
天野 俊哉
|
|
| |
|
|
| | |
|
|
|