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Vol.1890 日本タップ界のジェーン・パウエルたち〜吉田ひかるさん
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MGMミュージカルの歌うスターとして人気のあったジェーン・パウエルが亡くなりました。今回は日本のタップ・ダンスの舞台でも、そんなジェーン・パウエルの映画からイメージして踊ったり、振付をした方を皆さまにご紹介してまいりましたがついに涙の最終回です。
『TAP DO!』というタップ・ダンスとジャグリングそしてお笑いの素晴らしいプロ集団のレギュラー・メンバーとして大活躍されている吉田ひかるさん。そんな吉田さんも16歳の時にジェーン・パウエルのナンバーを踊って頂いたひとりです。
吉田さんは小学生時代から遠く府中方面から東京の蒲田のスタジオまでタップダンスのお稽古に通う頑張り屋さんでした。ミュージカル『アニー』にも2年にわたり美少女キャラのジャネット役で出演、青山劇場の舞台で素敵な笑顔をふりまいてました。
さて、日本でもミュージカル映画のビデオが5000円位で買えるようになった1990年頃にたまたま見つけたのがMGMのミュージカル映画『スモール・タウン・ガール』(1953)でした。主演のジェーン・パウエルがダンサーのボビー・ヴァンと歌い踊る“FINE FINE FINE”を見た私は何が何でも吉田さんと自分でこの曲で踊りたくなりました。その頃私のスタジオでは佐々木隆子先生の承認が絶対でしたが、隆子先生からは「ひかるちゃんとあなたならぴったりじゃない?」とふたつ返事でOKを頂けました。ただ本番まで2週間くらいしか無くて大急ぎで振付を考えて、吉田さんの夏休みのほんの数回で仕上げたものです。
肝心な音源ですが、当時は先の淺野康子さんと押田勝年君のナンバーと違ってタップ・ダンスの音が入ったままの演奏をビデオから録音して使用するしかありませんでした。表現力が豊かで笑顔の素敵な吉田さんが踊れば私のヘボな振付でもジェーン・パウエルに負けない位素敵なデュエット・ナンバーに仕上がったと自負しております。
吉田さんが着ているパフ・スリーブと赤のラメ付きスカートの衣裳は、1940年代の映画でエリザベス・テイラーやシャーリー・テンプルが着た衣裳写真を参考に吉田さんのお母様に作って頂きました。
吉田ひかるさんは年明け2022年1月7日(金)から9日(日)まで銀座博品館劇場で上演される『TAP DO!劇場版20スペシャルセレブレーション20周年記念公演』に出演されますので皆さまもぜひ足をお運び下さいね。
今回は日本のジェーン・パウエル・ナンバーの振付を担当した白川希さん、押田勝年君にもコラムに参加して頂きました。ありがとうございました。
次回からは《ジェーン・パウエル追悼》に戻ります。引き続きご覧頂きたいと思います。
天野 俊哉
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