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Vol.189 ブロードウエイ・ミュージカル「PAL JOEY」坂本昌行(V6)主演で上演
 ブロードウエイの舞台ではジーン・ケリー、映画ではフランク・シナトラという、2大エンターテイナーが主演した伝説のミュージカル「PAL JOEY」が、10月に青山劇場で上演されます。今までも何度か上演された事がありますが、今回のような規模での上演は初めてです。
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 V6の坂本昌行さんは、同じブロードウエイ・ミュージカル「Never Gonna Dance」で大人のエンターテイナーぶりを遺憾なく発揮した方なので、主役のジョーイ役にはとても向いていると思います。作品のカギを握るヴェラには高畑淳子さんというのも、良くセレクトしたなと感心。逆にショーガールのグラディスに彩吹真央さん、可憐なリンダに桜乃彩音さんという、宝塚を退団したばかりの2人を持ってきたことは、どんな結果になるのかな、とちょっぴり心配しています。話題作りはチケットの売り上げにつながるので無視できませんから仕方ないとは思いますが・・・振付助手に岸田有子さんの名前があるのが、私的には気になるところです。良い仕事をしていただきたいですね。
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 70年も前の1940年に作られた「PAL JOEY」は、作曲のリチャード・ロジャース、作詞のロレンツ・ハート、演出のジョージ・アボット、原作のジョン・オハラ、そして振付のロバート・オルトンという、当時最高のスタッフが集められました。逆にキャストは新人ばかりでしたが、どの人も後に有名になり、今ではアメリカ・ショービズ界の伝説となっています。主役のジョーイにジーン・ケリー(MGMミュージカルのスター)、ヴェラにヴィヴィアン・シーガル(ブロードウエイ大女優)、ほかにもヴァン・ジョンソン(MGM映画のスター)、スタンリー・ドーネン(映画「シャレード」の監督)などなど。
 「PAL JOEY」は、アメリカでは人気の高い作品なので、何度もリバイバル上演されています。ジーン・ケリーの主演した1940年版以外はその都度レコードが発売され、さらにCD化されているので、音源の資料は豊富です。“I Could Write A Book ”“Bewitched”などは、スタンダード・ソングとして今までも多くの歌手に歌い継がれています。ただ、音楽を聞いて感じるのは、出演者のひとりスタンリー・ドーネンが言ったように「ミュージカルの持つ明るさや希望が全くない不思議な世界」であり、人によって好き嫌いが分かれるところかと思います。私などは、その退廃的ムードにワクワクしてしまうのですが。そういえば、同じスタッフで作られ、アダム・クーパーが主演したリバイバル版「On Your Toes」も、そんな雰囲気のミュージカルでした。
 さて、以前このコラムでも触れましたが、1940年版の映像はかなりの量が残されており、ニューヨークの映像ライブラリーで観ることができます。音が入っていないことと、カラー映像だということに驚かされましたが、そういえば昔の8mmカメラは音が撮れなかったのでした。かなり前の方の席で写したものなので、人の頭が邪魔だったりしますが、よくぞここまで撮影できたものだと感心しました。最近ではYou Tubeでも、ジーン・ケリーがタップを踏んでいるダイナミックなダンスシーンが観られますので、興味のあるからは是非。フランク・シナトラが主演した映画版は、舞台と関係のない曲が多く使われていたり、そもそもダンサーでないシナトラを主役にして全く別のイメージになってしまったようなので、ここでは触れません。日本版「PAL JOEY」が今から楽しみです。

天野 俊哉






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