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Vol.1887 MGMミュージカルの可憐な花ジェーン・パウエル追悼@
 9月16日にジェーン・パウエルが亡くなりました。ジェーンはMGM映画の歌うスターとして1940年代から50年代にかけて『スイングの少女』『恋愛準決勝戦』『掠奪された七人の花嫁』等のミュージカル映画で大活躍しました。近年、同じ時期に活躍したエリザベス・テイラー、ヴィック・ダモン、デビー・レイノルズ、マージ・チャンピオンらが次々亡くなる中、ご高齢のジェーンがアメリカで生きている現実は私や松本晋一さんのようなMGMミュージカルの熱烈なファンにとってとても幸せな事だったのです。

 ジェーンの訃報はひっそりと入ってきました。敬老の日に追悼コラムを書くために押し入れからビデオテープやDVDを出して来て、早速DVDの特典映像からジェーンのインタビュー映像を探し出し一気に観ました。1996年に撮影されたアメリカのテレビ番組用のインタビューだと思います。ジェーンはこの時66歳前後ですが、古い映画の事を実に良く記憶していてインタビュアーの男性が質問する時以外はずっと喋っていました。わたしのまわりだと橋本祥さんの喋るスピードに近いかも。『恋愛準決勝戦』で共演した長身でハンサムなピーター・ローフォードを語る時は若い娘みたいにときめいたり、MGMの社長で敵の多かったルイス・B・メイヤーがスタジオを去るときの姿を思い出してさみしそうに語るのが特に印象的でした。

 ジェーンには1948年のミュージカル映画『スイングの少女』で歌って大ヒットした“イッツ・ア・モスト・アン・ユージュアル・デー”という代表曲がありインタビュー映像でも再三登場しました。
 45分間のそのインタビュー映像のDVDを止めるとテレビではたまたま古い『トムとジェリー』のアニメが放送されてました。『トムとジェリー』は1940年代にMGM映画が製作していたものですが、テクニカラー映像とねずみのジェリーの動きが古い感じでしたのでチャンネルを変えずにテレビの前でボーッと眺めていました。この日のエピソード「醜いアヒルの子」のラスト・シーンに流れたBGM音楽が何とジェーンが歌った“イッツ・ア・モスト・アン・ユージュアル・デー”だったのです。やっぱり1948年頃の作品だったのですね。
 夜中になり、スマホで松本晋一さんのブログをチェック。松本さんがこの日大塚のスタジオで選んだ振付曲も“イッツ・ア・モスト・アン・ユージュアル・デー!”でした。松本さんも追悼の気持ちでこの曲を選んだそうです。
 もう天国のジェーンが日本の私達に会いに来てくれたかの様です。

 翌朝、松本さんと電話でジェーンを語りました。ジェーン・パウエルはとにかくキュートで、クラシカルなソプラノの歌を聴かせる場面にはぐいぐい引き込まれてしまいます。また、ダンスの神様フレッド・アステアとデュエットしてしまうモダンな才能もありました。これから数回に渡って1944年から1958年までのジェーン・パウエルの映画での活躍を綴ってゆきたいと思いますのでお付き合いくださいね。

 と、ここまで書いてた私はとんでもない事を思い出してしまいました。そう、幸か不幸か日本のタップ界にはジェーン・パウエルの映画や、音楽や、衣裳や、振付等のイメージでタップを踊らされてしまった現役女性タップ・ダンサーが3人もいることを!という訳で次回は《ジェーン・パウエル追悼コラム》を一度脱線します。
 お楽しみに。

天野 俊哉



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