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Vol.1882 宝塚歌劇団元雪組トップスター轟悠さんを送る
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宝塚歌劇団の月刊誌『歌劇9月号』を手にした時、その分厚さに驚いてしまいました。236ページもある。表紙は新しく雪組のトップスターになった彩風咲奈さん。新トップスター特集はごく自然な事なので普通にページをめくっていたら何と特集第2弾が出て来ました。現在は特別顧問という立場の専科生の轟悠さんのさよなら特集でした。それにしても1985年に入団、雪組のトップスターを4年つとめたあと専科入りして20年近く理事までつとめた轟悠さんが表紙じゃ無いんだ!とかなりがく然としてしまいました。確かに新しいスターさんを優先すべきとは分かりますが?
でも最近、今年になってから轟悠さんは『歌劇』誌の表紙になっていない。さよなら公演も辞退したそうだからこれからの現役生に道を譲ったのですかね。そういう心の広い方なんですね。
私が初めて轟悠さんを意識したのは雪組3番手『マ・ベル・エトワール』の頃、白い羽根扇を持った大勢のダンサーを従えた黒燕尾服の男役が轟悠さんでした。しかし、私が憧れたのは轟悠さんでなくバックダンサーの方ね!後年、冨田かおる先生や淺野康子さんのバックダンサーをやらせて頂き夢がかないましたが。ちなみにまだバックダンサーで踊れますよ。
轟悠さんがトップスターになった時期はちょうど東京宝塚劇場が建て替えていたので帝劇や有楽町駅前の宝塚1000days劇場、さらには兵庫の宝塚大劇場まで観劇に出掛けたものです。轟悠さんトップスター時代に好きだった作品は意外にも軽妙なコメディの『再会』でした。他の主演作が『凱旋門』や『愛燃ゆる』など重い物が多かったせいか逆に記憶に残っているのです。
轟悠さんが専科に移動してからでは湖月わたるさんがトップスターの星組のショー『ソウル・オブ・シバ』です。私がタップダンスを指導していた背の高い娘役さんがフィナーレで大階段のドセンターに立つことになりました。つまりトップスターの湖月わたるさんと専科の轟悠さんの間の後ろというベストポジションですね。それ見たさに10回以上通いました。すみません、だから轟悠さんを見てませんが。
轟悠さんが専科に移動されてから出演された作品ではブロードウェイ・ミュージカルの『南太平洋』が大好きです。ロジャース&ハマーシュタインの名曲集。昨年、友人の紹介でヒロインを演じた元星組トップ娘役の妃海風さんにお会いした時、私がサインして頂いたのがこの『南太平洋』のパンフレットでした。妃海さんも宝塚時代の大好きな作品に挙げてらっしゃいました。
先日、轟悠さんが花組のトップスターだった愛華みれさん、月組のトップスターだった真琴つばささん、星組のトップスターだった稔幸さんと同期の4人で開いたコンサートを観たのですが、轟悠さんいつもの硬さがなくてとてもリラックスされてました。気心知れた仲間と一緒で居心地が良さそうでした。淺野康子さんが私や阿部さんや押田君や橋爪さんと一緒だと何かホッとする、みたいな事を言ってくれるのですが、正にそんな感じなのが良く分かりました。
生涯宝塚歌劇団かと思われた轟悠さんの退団は私達には謎だらけです。でも、今後も誰にも分からないと思います。長い間お疲れさまでした。
天野 俊哉
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