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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1875 名作映画とY's取材班さん映画を観る2021年の夏休み
 今年のお盆休みは自宅に籠もって映画三昧でした。
 サマーセット・モーム原作の『剃刀の刃』(1946)を観たいが為に《名作文学を映画で楽しむ》なる10枚組のDVD BOXを購入しました。タイロン・パワー、ジーン・ティアニー、ジョン・ペインら往年の美形スターが悪戦苦闘しています。アカデミー助演女優賞を受賞したアン・バクスターも普通のレベルでしたので143分の上映時間は辛かった。唯一主題歌の“マムゼル”が良いムードを出していました。他の9枚の中からフィッツジェラルド原作の『雨の朝巴里に死す』(1954)を観ましたがエリザベス・テイラーとヴァン・ジョンソンがミスキャスト。このコンビで悲劇は無理だった。普段は大根のウォルター・ピジョンがフィッツジェラルド作品向きの雰囲気を出せていたのが唯一の収穫でした。デュマ原作の『椿姫』(1937)はグレタ・ガルボとロバート・テイラーの美形コンビが原作以上の存在感を!ジョージ・キューカーという名監督の作品だからこそ名作の映像化に成功したのでしょう。残りのトルストイ、ユーゴー、ドストエフスキー、ゴーリキーらの7作品は夏に相応しくないのでパスしました。アシカラズ。

 さて、海外の名作映画に続いて日本映画にも目を向けてみましょう。ジョージ・キューカー監督に続いて私が取り出したのが石川二郎監督作品です。
 ご存じない?
 覚えましょうね。石川二郎監督のお名前を。
 タイトルが『女雀士杏子』(2016)。
 佐倉絆さん主演。
 そして我らがY's取材班さん。
 ハリウッド映画ならハーバート・マーシャルの様な渋い存在感をお持ちの方。最近、NHKの真面目な番組で大人しい演技の続くY's取材班さんが久々に悪そうな役を演じてらっしゃる?まずは9分にわたるメイキング映像からスタート。ほとんどが主演の佐倉絆さんを追ったものですが、石川二郎監督と取材班さんの貴重な打ち合わせショットが嬉しい。

 そして予告編を経て本編に。
 映画の冒頭「本編には過激な映像が含まれておりますので、ご注意ください」とわくわくさせてくれる字幕が!
 取材班さん演じる東山竜二は「国士の竜」としてヤクザの代打ちで名を馳せた伝説の雀士。佐倉絆さん演じる娘の結婚を期に引退を決意。
 映画のオープニングで雀卓を囲む取材班さんのお姿が大物感を醸し出しています。この場面真っ暗なのは予算の関係でしょうか、良い滑り出しですな。取材班さんは麻雀もお出来になるのだろうか?

 早速引退表明をされてしまう。東荘という雀荘を経営している取材班さんと佐倉絆さん、そこに取材班さんを引き抜きに来た悪い組の奴に殺害されてしまう取材班さん。残念ながら撃たれるショットが無かったのですが、これは多分ガン・エフェクトにかかる経費削減に違いありません。佐倉絆さんによる映画のラストでの見せ場の為に。ここまで17分。あと1時間もあるのに。一度は終わりにしようか、とも思いましたが佐倉さんの記憶の中のお父さん、つまり取材班さんの《ありし日の姿》が挿入されたりするので結局最後まで観てしまいました。取材班さん無き後の映画ですが、麻雀用語連発の流れには乗れませんでしたが、はっきり言って『剃刀の刃』や『雨の朝巴里に死す』よりもテンポが良くて面白かったです。

 ランチタイム1時間を挟んで2本目の上映です。タイトルが『芸者〜GEISHA〜』(2019)。やたら官能的で、まるで谷崎潤一郎の世界です。主演女優さんの着物や頭飾り、足袋に至るまでお金がかかっている作品です。先の『女雀士杏子』と同じ石川二郎監督作品なのに全く趣が異なっています。
 私の期待とは裏腹に取材班さんが演じるのは出版社の編集部長役、早口でまくしたてる取材班さんには珍しいタイプの役柄で残念ながら芸者との絡みは全くありません。メガネを掛けてひたすら単刀直入な分かり易い上司を演じる取材班さん、どこかで変貌してもらいたかったのですが。風変わりな、でもキチンと予算のかけられた作品でした。
 DVDには何と『芸者2〜GEISHA2〜』の予告編が収録されてましたがこの作品との繋がりも無く、取材班さんも出演されておりません。

天野 俊哉



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