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Vol.1855 もうすぐ生誕100年ペギー・ライアンGドナルド・オコンナーとの最後の共演
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第2次世界大戦中、ハリウッドの映画俳優の多くが戦場に駆り出されましたが当時19歳のドナルド・オコンナーも例外ではありませんでした。私の薄い情報ではユニヴァーサル映画会社はドナルドが入隊するまでの期間に1本でも多くの映画を撮影してしまおう!とスケジュールを組んだそうです。今回は、1944年から1945年までにドナルドとペギーが組んだ最後の2本を取り上げます。
『This Is the Life』(1944年11月17日公開)
監督/フェリックス・E・フェイスト
振付/ルイ・ダプロン
ドナルド・オコンナー
スザンナ・フォスター
ペギー・ライアン
ルイーズ・オルブリトン
レイ・エバリーと彼の楽団
『オペラの怪人』でヒロインを演じたスザンナ主演の妙な恋愛ドラマ。大人びたスザンナと少年ぽいドナルドとのバランスがあまりにも悪いのでそれを逆手にとって書かれたシナリオの様です。
映画はスザンナ18歳のお誕生日会から始まるのですが、自宅にレイ・エバリー楽団がお祝いに現れ、その演奏で早速ドナルドとペギーが歌い踊ります。ルイ・ダプロンの振付は『フォロー・ザ・ボーイズ』とほとんど同じでしたが、やはりドナルドにはペギーがぴったりです。
スザンナが軍服を着た年上のおじさまに夢中というストーリーなのでドナルドもペギーも見せ場が少なくて残念です。ストーリーと関係なくドナルドが飲み残したグラスの中からチェリーだけをつまみだそうとするギャグが傑出していました。
ナイトクラブでのドナルドと西部の女傑アニー・オークレーの衣裳を着たペギーの2つ目のデュエットはタップをメインにしたナンバー。パペットの様な動きのペギーが人形に扮した子供達と踊るショーナンバーがユニーク。フィナーレは軍服を着たドナルドと兵隊たちの愛国的な歌でダンスはありませんでした。
この作品は現在YouTubeで視聴出来るので興味のある方はぜひ!
『パトリック・ザ・グレート』(1945年5月4日公開)
ドナルド・オコンナー
ペギー・ライアン
フランセス・ディー
ドナルド・クック
イヴ・アーデン
85分枠の予算とシナリオに余裕が出来たせいでドラマの構成がしっかりしてきました。ドナルド・クックとドナルド・オコンナーの俳優親子に同じブロードウェイ作品の同じ役柄のオファーが来てしまい、というストーリー展開が楽しい。ペギー・ライアンは初めてドナルドの恋人役を獲得出来てデュエット・ナンバーもとても幸せそうでした。
舞台のリハーサル場面でのソフトシュー・スタイルのタップダンスは悪ふざけに発展せずホッとしました。ジョージ・マーフィが踊る様なスタイルですが、ドナルドとペギーのこんなデュエットをずっと見たかった!
2つ目は『フォロー・ザ・ボーイズ』のオーソン・ウェルズとマレーネ・ディートリッヒが演じたマジック場面のパロディで、ドナルドは黒燕尾服を、ペギーは何とディートリッヒの衣裳を着ています。目隠しをされたペギーが観客席にいる男女が踏むタップのステップの名称を答えてゆくユニークな構成が嬉しい。
3つ目はナイトクラブのショー・ナンバー、ドナルドが白いジャケットを着てペギーとオシャレに踊ります。踊りの最後の切り上げ方がルイ・ダプロンらしくセンスの良いものでした。
フィナーレは2人には珍しいラテン・アメリカ・ナンバーでセットはショボいですが車まで登場する。オーソドックスな振りでまとめています。2人の回りを固めるアンサンブル・ダンサー達が大人ばかりなのでナンバーそのものに重みと色気が出てムード満点の出来に。
1945年のこの作品がドナルドとペギーの共演作となりました。
天野 俊哉
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