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Vol.1851 もうすぐ生誕100年ペギー・ライアンF1944年のペギーその2
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ユニヴァーサルのB級ミュージカル映画でドナルド・オコンナーとのコンビで人気のピークを迎えた20歳のタップ・ダンサー、ペギー・ライアンの活動を振り返ります。今の世の中、ペギー・ライアンが出演している様な古い映画ならばYouTubeで簡単に観ることが出来ると思っていましたが現実はそう甘くないようで。誰が削除するのかな?
『バワリー・トゥ・ブロードウェイ』 (1944/10/26公開)
監督/チャールズ・ラモント
振付/カルロス・ロメロ、ルイ・ダプロン ジョン・ボイル
出演/マリア・モンテツ
スザンナ・フォスター
ターハン・ベイ
ジャック・オーキー
ルイーズ・オルブリトン
アン・ブライス
ドナルド・クック
ゲスト/ドナルド・オコンナー&ペギー・ライアン
ユニヴァーサルが契約しているスターを中心にフランク・マクヒュー、ローズマリー・デ・キヤンプ、アンディ・ディヴァインらバイプレーヤーが脇を固めた90分を超える大作ミュージカル。20世紀初頭からのヒット・メロディーを並べています。ただ、ジャック・オーキーとドナルド・クック扮するショー・プロデューサーの競い合いのドラマは面白いのに肝心のミュージカル・ナンバーがどれも弱いのです。有能な振付師を3人も揃えているのに残念な結果になりました。
学園ドラマで場違いな存在だったスザンナ・フォスターが歌手役で舞台に立つと一気に魅力が増すのが収穫でした。トップ・ビリングの“アラビアンナイト女優”のマリア・モンテツは映画が始まってから60分たってからの登場。豪華なレヴュー場面が用意されたのですが、勿体ないのはテクニカラーでこそ生かされるマリアの美しさが白黒画面では全く伝わって来なかった事です。
映画の最後を仕切るのがゲストのドナルドとペギー。衣裳、音楽、振付の何れもクラシカルでしたが作品のイメージ通りの流れでした。フィナーレが豪華なセットでのアン・ブライスの美しいソプラノをフィーチャーしたレヴュー場面でした。
『ベイブス・オン・スイング・ストリート』(1944/10/27公開)
監督エドワード・リリー
振付ルイ・ダプロン
ペギー・ライアン
アン・ブライス
アンディ・ディヴァイン
レオン・エロール
ジューン・プレジャー
ペギーはこの作品で初のトップ・ビリングになりました。ペギーとアン・ブライスの2枚看板作品なのでドナルド・オコンナーは出演しません。
映画は床屋の娘ペギーがお客のヒゲを剃りながらタップを踏む場面から始まります。ペギーを中心にした学園ドラマなので当然学生達がショーを作ろうよ!という展開になります。リハーサル・ホールに折り畳み式の椅子を運んできた家具屋のオヤジがその椅子を使ってリズミカルな音を出すと急に音楽がかかります。ナンバーが始まるとペギーが家具屋のオヤジとタップを踏みます。このオヤジが振付師のルイ・ダプロンで、テーブル上に飛び移りスライドの振りでタップを見せてくれます。ジルバが出て来て転んでフィニッシュ、といういつものパターンで終わります。
信じられないのがMGMのミッキー・ルーニー主演のミュージカル『青春一座』のお金持ちの娘役を演じたジューン・プレジャーが同じ様な嫌味な役で登場して、しかも同じ様なアクロバティックな振付で踊ってみせる事でした。ただ、『青春一座』の時はライバル役のジュディ・ガーランドは下を向いてしまったのに対してペギーは大あくびをして反発をするのが笑えました。
ショー・ナンバーでは真っ暗な照明の中、ペギーが黒燕尾服の男性ダンサー達と踊るのですが、ペギーが真面目に踊るのと照明の使い方が良かったです。フィナーレ・ナンバーのペギーによるロシア風の歌と踊りはテクニックは流石ですがあまり盛り上がらず。逆に、若手出演者全員が出てくるアンサンブル・ナンバーは良くまとまっていました。
ゲストのフレディ・スラック楽団の演奏とマリオン・ハットンの歌は添え物程度。
天野 俊哉
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