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Vol.1849 もうすぐ生誕100年ペギー・ライアンD1943年のペギー
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ユニヴァーサル映画のB級ミュージカルでドナルド・オコンナーとのコンビで人気が出て来た1943年のペギー・ライアンを取り上げます。
『ミスター・ビッグ』(1943/5/28公開)
監督/チャールズ・ラモント
振付/ルイ・ダプロン
ドナルド・オコンナー
グロリア・ジーン
ペギー・ライアン
ロバート・ペイジ
イヴリン・ノックス
ジャイヴン・ジャックス&ジルズ
ドナルドがいよいよトップ・ビリングに。オペレッタのグロリアとコミカルなペギーにモテモテの2枚目役。
相変わらず踊らないグロリアにあ然、若いのに何でタップくらいマスターしなかったんだろうか?
ドナルドとペギーにはロマンチックなバラードもあるのに、いざ踊り出すとバカみたいに暴れ出す?ドナルドがペギーを肩車して10回以上回ったりするアクションも空回り。
振付がジョン・マティスンからルイ・ダプロンに代わってよりマニアックになり、ジルバ&タップのチームのJJAJには刺激的な経験になったのかも。今回パット・オコンナー、トミー・ロールを含めて最多の14名編成。レイ・エバリー楽団の演奏で野外のカフェでチームが踊るナンバーではドナルドとペギーをフィーチャーした構成が嬉しい。
映画のラスト、キャスト全員が顔を黒く塗りだして黒人のミュージカル、ミンストレル・ナンバーが始まった時は呆れましたが、ここに黒人達が加わりゴスペル・ソングが歌われた時は人種を越えた映画作りが当時としては珍しいので大変進歩的だと思いました。
『トップ・マン』(1943/9/24公開)
監督/チャールズ・ラモント
振付/ルイ・ダプロン
ドナルド・オコンナー
スザンナ・フォスター
リリアン・ギッシュ
リチャード・デックス
ペギー・ライアン
映画はアメリカの中流家庭の話で始まります。ドナルドとペギーは兄妹役、ドナルドの大学の恋人役に大人っぽいスザンナ・フォスター。母親役がサイレント映画時代の大スター、リリアン・ギッシュ。このままホームドラマとして進んでゆくかと思いきや、ある日父親に召集令状が来て入隊したり、友人の家族に戦死者が出たり、子供達が軍需工場で働き出すあたりからホームドラマは一気に戦意高揚映画に。思えば第2次世界大戦中の映画なのですから当然ですね。
タイトルの『トップ・マン』とは「銃後の家を立派に守る男」の意味らしい。
ミュージカル・ナンバーは最初の方にカフェのジルバがあるものの45分過ぎた頃からの勢いが凄い。すべてショーのリハーサル場面で、ものすごいスピードでマリンバを叩く少年のタップ、スザンナの場違いかと思わせる位本格的なソプラノ、そしてドナルドとペギーの最初のデュエット。もちろんコミカルな振付。さらにペギーのラテン・スタイルのソロ・ナンバーもありますが何故お笑いに向いてしまうのか?
ラストは軍需工場でのショー場面なのですがカウント・ベイシー楽団が登場してオープニングを飾ります。ドナルドが指揮をするハモニカの“黒い瞳”、黒人カルテットのコーラスを経てドナルドとペギーの2つめのデュエット。ドナルドは髪を振り乱し、ペギーはドナルドを小突くいつものパターンでかなり荒っぽいジルバであばれまくります。ユニヴァーサル映画期待のスザンナの場違いのソプラノがもう一度登場したあとドナルドとペギーの3つめのデュエットが。ドナルドは後年の3枚目路線をこの作品で確立したと思われます。
天野 俊哉
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