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Vol.1839 宝塚歌劇花組公演(2021年6月)
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今年初めての宝塚歌劇花組公演を観に東京宝塚劇場に行って参りました。公演は7月までですが、内容には触れてないので安心してお読みください。
作・演出/田淵大輔
ドラマ・ヒストリ
『アウグストゥス〜尊厳ある者〜』
ローマ史上初の皇帝となり、アウグストゥス(尊厳者)の称号を贈られたオクタヴィウスのドラマティックな半生を描いた物語。柚香光さん率いる若い花組がこの難しい題材にチャレンジしました。私は以前宝塚で上演された『スパルタカス』『皇帝』『暁のローマ』の様な騎士ものや重々しい歴史ドラマを見せられるのかな、とあまり期待をしなかったのですがそれは食わず嫌いでした。田淵氏の台本は歴史の教科書にはならず、宝塚の劇として進行してゆくのでスター達がキチンと生かされていたと思います。
柚香光さんは冷静沈着である主人公アウグストゥスを丁寧に演じて説得力を持たせる事に成功しました。この時代にあって剣術が弱いのは事実らしいので驚きました。
唯一実在の人物でない華優希さんと主人公の盟友を演じた水美舞斗さんが役柄上少し弱かったかも知れませんが、それは他があまりに濃すぎたから?に違いありません。男役の凪七瑠海さんのクレオパトラ、瀬戸かずやさんのアントニウス、夏美ようさんのカエサルそして永久輝せあさんのブルートゥス。この4人の熱い演技が主人公とは対称的で楽しめました。
ローマ帝国が舞台という事で腕や脚をみせる戦士の衣装を想定してたのですが、珍しく『マクベス』の世界を思わせる色合い、生地、デザインなので重みが感じられて良かったです。また、予算の関係からか装置も簡素で、映像をうまく組み合わせてましたが違和感なく自然に受け入れられました。
作・演出/藤井大介
パッショネイト・ファンタジー
『Cool Beast!』
柚香光さんが野獣に、華優希さんが艶花に扮したストーリー仕立てのラテン・ショー。藤井氏お得意の曲と振付だけでなくスターの魅力を掘り下げた内容になっています。振付スタッフには羽山紀代美氏をはじめ宝塚OGを中心に比較的オーソドックスな動きでまとめたと思います。
今回は花組のダンス場面を17年間支えて、さらに組子を引っ張ってきた瀬戸かずやさんのサヨナラ公演。ついにこの日が来てしまいました!私のタップダンスの生徒が初期よりファンクラブに入り応援されていた男役スターさんなので私にとっても思い入れのある方であります。
オープニングの黒地にゴールドのラメの入った衣装で見せる瀬戸さんのダンスが特に好きでした。これのためにDVDを購入してもう一度見たいとも思いました。
瀬戸さんを別にすると水美舞斗さんのダンスが素晴らしくて、今後の花組のダンス場面を支えて欲しいと思いました。
振付スタッフの羽山氏もご高齢だなとか、専科出演の凪七さんはこれからどうするのかなとか、カツラを被ると誰が誰だか分からないなとかショーの後半は余計な事を考えながら観賞してしまい細かい部分を印象に留める事が出来ませんでした。残念。やっぱDVDしかないな。
久し振りの宝塚でした。最近若手にシフトして段々スターの顔と名前が一致しなくなってきたので宝塚を卒業しようかと思ってましたが、いつの間にかオーケストラ演奏も戻ってきてるし、もう一度勉強し直すことにしました。
天野 俊哉
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