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Vol.1828 2021ゴールデン・ウィーク
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東京の下町で育ったせいか、昔の生活が良かった、なんて思うことがありません。別にイヤな記憶があるわけでなくて便利な、コロナ前の現在が好きなだけです。中華そばを食べに行けばテーブルの上をゴキちゃんが闊歩していたり、喫茶店に行けば体中にタバコの匂いが付いてしまったり、夏の暑い日に駅のプラットホームに入ってきた電車には冷房が無かったり、今では毎日食べられるケーキが1年に1度クリスマスだけだった!なんて今なら絶対に有り得ないでしょ?
《レコード》
先日所沢のBOOK OFFにあるCDコーナーを訪ねたら音楽DVDの隣の棚に沢山のLPレコードが並べられていました。えっ?
そこには中森明菜さん松田聖子さんら80年代歌謡曲のレコードがあり、まだ20代くらいの若い女性2人が1枚づつ丁寧に眺めているのが印象的でした。レコードって買ったは良いけど30センチのレコードを持ち歩くのは面倒だし、CDみたいに気に入らない曲をボタンひとつで飛ばせないから不便なのに。しかもずっと聴いてると擦りきれてノイズが気になるのですね。
ただ改めて大きなレコード・ジャケットを手にすると同じデザインのCDよりもオシャレに感じますし味がありますよね。
《カメラ》
町のカメラコーナーというか写真コーナーでは昔ながらのカメラやフィルムに加えポラロイドカメラまでが置いてあります。今どきカメラなんて、と思いきやテレビで若い男性が「撮影しても直ぐに見れず、現像に出して写真が出来てくるのを待つのが楽しみ!」なんて信じられない事を。デジカメやスマホなら直ぐに確認が出来るし、無限に撮影出来るのに?
かつてロスアンジェルスに旅行した初日にカメラの電池が切れてしまい、治安の悪いダウンタウンのカメラ屋さんをあちこち巡り歩いた事があります。こうした海外や長い旅行の時は36枚撮りのフィルムを山のように購入して出掛けるのですとにかくがかさばるかさばる。しかも観光地のベストショット目前で36枚が撮りおわり自動で巻き戻ってしまったり今思うと不便でしかありません。
《ハリウッド映画》
このゴールデン・ウィーク中に書店で売られている映画の10枚組DVDBOXを黙々と鑑賞していました。現在では気軽にスマホを取り出しYouTubeを検索すれば簡単に観ることが出来るのですが、大きなテレビ画面で観たいのでいまだに時代遅れのDVDを愛用しております。
これらのDVDに収録されているのは版権切れの1930年代から50年代の古いハリウッド映画ばかりで、半分は昔テレビの洋画劇場で観たもの、残り半分は日本劇場未公開の貴重なものであります。
ドラマばかりの20作品ですが、ダンスやミュージカル・ナンバーも少なからず登場しました。
ビング・クロスビーとボブ・ホープの人気コメディ・シリーズ『南米珍道中』のオープニング・タイトルを観たら振付にビリー・ダニエルズの名前が!ビングとゲスト出演の女性コーラス・グループ、アンドリュース・シスターズの3人が実に凝ったフォーメーションのミュージカル・ナンバーをやらされてました。
ハリウッド映画のキングと呼ばれたクラーク・ゲイブルがグリア・ガースンと共演した『冒険』には、ルンバのザビア・クガート楽団の歌手だったリナ・ロメイが女優として出演、2曲も歌いました。
フレッド・アステアとのダンス・チームで人気のあったジンジャー・ロジャース主演の『モーガン先生のロマンス』(日本未公開)ではジンジャーが1930年代の人気ステップであるビッグ・アップルとスージーQをたっぷり踊ってみせました。
ロバート・ウォーカーとジューン・アリスン主演の『夢のひととき』(日本未公開)のオープニング・タイトルには製作にジョー・パスタナック、振付にチャールズ・ウォルターズの名前が。「ジューン・アリスンが踊るんだ」とワクワクしながら映画を見始めたらジューンさんは歩けない役でした。映画も中盤を迎えたあたりでジューンさんの夢の場面が登場。これがタイトルの『夢のひととき』なんですな、大勢のMGMダンシング・チームと共にジューンさんとロバート・ウォーカーが歌い踊ります。クラシカルな軽いナンバーでしたがMGMらしいゴージャス感がたまらない。
ちょっとした収穫でした。
昔の映画を手軽に観ることが出来る今って最高です。
天野 俊哉
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