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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1803 もうすぐ生誕100年アン・ミラー〜MGMで最後のタップダンス
 アン・ミラーがMGMで出演したミュージカルで私が一番好きな作品が1953年の『キス・ミー・ケート』です。コール・ポーターの音楽が名曲だらけ。日本では1986年頃に劇場で初公開されました。アメリカでは3D版で製作、公開されたので映画のあちらこちらで飛び出す演出や振付がされてます。日本では当然普通の画面での公開したので何か可笑しかったです。
 アンはこの作品で“トゥー・ダン・ホット”をソロで。
 “ホワイ・キャント・ユー・ビヘイブ”をトミー・ロールとデュエットで。
 “トム・ディック・オア・ハリー”と“フロム・ディス・モメント・オン”をトミー・ロール、ボブ・フォッシー、ボビー・ヴァンと踊りました。同じメンバーと、画面にはほとんど映りませんが舞台袖からツー・ステップでタップを踏みながら舞台に飛び出すのが私とは縁の深い“ビアンカ”。今では伝説とも言える凄い顔ぶれ、ハーメス・パンの振付が最高に輝きました。

 1955年代の『艦隊は踊る』はアンのMGM最後のミュージカル作品。『踊る大紐育』と同じく3人の水兵の休暇を描いたミュージカル。トニー・マーティン、ヴィック・ダモン、ラス・タンブリン、アン・ミラー、ジェーン・パウエル、デビー・レイノルズらキャストが揃いました。フィナーレを飾る“ハレルヤ”はメインキャスト全員による豪華絢爛なプロダクション・ナンバー。もちろんメインはゴールドの衣裳を着たアンのタップ・ダンス。アンが白い水兵服を着た40名の水兵とステップを踏みまくる。ハーメス・パンによって鍛えられた男性ダンサーズがアンと見事なコンビネーションを見せています。アンは1956年に33歳でMGMを退社しました。

 1974年にMGMが創立50周年記念に製作したミュージカル映画のアンソロジー『ザッツ・エンタテインメント』が全世界で大ヒットしました。フレッド・アステア、ジーン・ケリーを始めアン・ミラー達MGMミュージカルに出演してきた往年のスター達が再び脚光を浴びる日がきたのです。さらに1994年に製作された『ザッツ』のパート3にはアンがMCの一人として出演してフレッド・アステアの功績を述べたのです。
 長くなりましたがハリウッド映画でタップ・ダンサーとして大活躍したアン・ミラーを8回に渡り取り上げました。

天野 俊哉



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