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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1801 もうすぐ生誕100年アン・ミラー〜ついにMGM時代へA
 『イースター・パレード』でハリウッド最大の映画会社MGMと契約してアン・ミラーの映画人生の第3期が始まりました。

『ザ・キッシング・バンディット』(1948)
 歌手のキャスリン・グレイスンとフランク・シナトラが主演したメキシコを舞台にしたミュージカル。劇中カーニバルの場面で男性と彼を奪い合う2人の女性が登場するのです。男性はラテン系のリカルド・モンタルバン、女性は『イースター・パレード』に出演したアンと、出演出来なかったシド・チャリース。熱く踊る3人の若手ダンサー達がとても魅力的なのでこの場面だけ記憶に残ってます。

『踊る大紐育』(1949)
ジーン・ケリーとスタンリー・ドネンが監督に進出。舞台ミュージカルをニューヨークでロケしてしまった画期的な作品。
ジーン・ケリー
フランク・シナトラ
ベティ・ギャレット
★アン・ミラー
ジュールス・マンシン
ヴェラ・エレン
 この作品に限らず当時多かったのが複数のカップルが主演するグループもの。映画館を満席に出来るスターの不在と映画会社が抱えていた大勢の契約ダンサーの活用手段のひとつだったのかな、と思ってます。ただ、この作品に関しては舞台のオリジナルが3人の水兵と3人のニューヨーカーの女性の恋物語なので自然な設定ではあります。久しぶりに映画を観ると思わぬ発見があります。
 男性3人の衣裳は終始白の水兵服なので対する女性の衣裳は赤・黄・緑のカラフルなワンピース姿。スターの格を無視して長身のジュールス・マンシンがセンターに来たことで相手役のアンもセンターに。アンサンブル・ナンバーの立ち上位置はラッキーの一言。
 また、当時絶大な人気があり映画出演なんか舐めきっていたフランク・シナトラが子羊の様に大人しく素直に振付をこなしているのです。ジーン・ケリーには逆らえなかったのでしょうね。
 アンをフィーチャーした恐竜の前で見せるタップ・ダンスではケリー、シナトラ、マンシン、ギャレットらを背景に堂々の主役ぶり。ケリーの振付が上手いのでアンも、後ろで踊る共演者達も活かされてます。
 また街中で歌い踊るタイトル・ナンバーになるとさすがに14歳から映画出演しているアンの存在感があるある、他を思いきり引き離しています。
 アンにとっては女優として出番も台詞も多くてMGM時代『キス・ミー・ケート』と共に一番良い作品かも知れません。

『トゥー・ティケッツ・トゥ・ブロードウェイ』(1951)
 アンが10年ぶりに古巣RKOラジオ映画に里帰りですがミュージカル製作のセンスの無いスタッフのせいか?無駄に時間が過ぎています。主演の歌手トニー・マーティンとジャネット・リーが歌うまで30分、アンがタップを踏むまで50分待たなくてはなりません。他にMGMを首になったグロリア・デ・ヘヴンとコメディのエディ・ブラッケンが出演して皆さんミュージカルナンバーに参加しています。ドラマのイメージが強いジャネット・リーのダンシング・スターぶりを堪能できる作品として記憶に残ります。
 アンのタップ・ダンスはジャネット・リー、グロリア・デ・ヘヴンに加えバーバラ・ローレンスら女性主要キャストが公園で歌い踊る“ザ・ウォリー・バード”でスピンを活かしたステップを見せるくらい。何のための出演だったのかは不明ですが地味な女優の中で華やかなアンの存在は作品にプラスにはなっています。
 また《振付》としてクレジットされているバズビー・バークレーがどのナンバーでどう仕事しているのかほとんど分からないのが残念でした。

天野 俊哉



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