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Vol.18 ミュージカル名場面集「ザッツ・エンターテイメント」のおもいで
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最近、TVで「ザッツ・エンターテイメント」全3部作(1974年)と姉妹篇である「ザッツ・ダンシング」が放送され、若い生徒さんを中心にとても話題になりました。
私はこの作品を観てタップを始めたのでおもいで深いのですが、もう30年も前の昔のことなのですね。
当時はまだホームビデオがなかったので、映画館で上映されるたびに追っかけて何度も観たものです。
MGMというハリウッドの映画会社が、ブロードウェイの舞台から才能あるスタッフやキャストを集めてミュージカルの黄金時代を作りました。
1930年代から50年代までのミュージカルから歌と踊りのハイライトシーンを集めたのが、この「ザッツ・エンターテイメント」でした。
歌のジュディ・ガーランド(ライザ・ミネリのお母さん)、踊りのフレッド・アステア、ジーン・ケリー、水中バレーのエスター・ウィリアムズなど魅力的なスターが沢山おりました。
タップダンスのファンには、アステアとエレノア・パウエルの“ビギン・ザ・ビギン”、ケリーとフランク・シナトラの“私を野球につれてって”、クラーク・ゲイブルやミッキー・ルーニーのソロ、アステアとケリーの“バベルトとブロマイド”、ケリーの“雨に唄えば”などがオススメですね。
これらの作品はワーナー・ホームビデオからDVDが発売されていますし、TSUTAYAなどの大型レンタルビデオ店に大概置いてありますので、ぜひご覧下さい。
アメリカで大ヒットした「ザッツ・エンターテイメント」の情報が日本の映画雑誌に採り上げられた頃、日本での上映は無理だと思われていました。
まずMGMの日本支社が閉鎖されており、ミュージカルは絶対にヒットしないと言われていたからです。
ニューヨークでこの作品を観た映画評論家の淀川長治氏や小林信彦氏のラジオ番組やコラムから少しずつ話題になってきました。
結局、松竹富士というMGMとは何の関連もない映画会社によって上映が決まり、今で言えば「スター・ウォーズ」並みのTV宣伝により、すごい前評判となりました。
私は初日に観に行ったのですが、今でもあれだけ熱気につつまれた映画上映というものを味わったことがありません。お客さんが舞台のダンスを観ている時の様に、多くの場面で拍手をするのです。これにはびっくりしました。
「ザッツ・エンターテイメント」は、日本でもこの年の大ヒット作ベスト10の1つに選ばれました。
今ではビデオやDVDでいつでも観られる時代になりましたが、できればもう一度大きな劇場のスクリーンで再会したいものです。
写真上は1975年日本公開当時の宣伝用ちらしです。
写真下は1979年に私宛に届いた“雨に唄えば”のジーン・ケリー直筆サイン入り写真です。
天野 俊哉
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