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Vol.1785 『ジュディ』と『愛の奇跡』
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一昨年サンフランシスコ在住のタップ仲間、松本晋一さんからのメールでアメリカ最大の女性歌手で、“ミス・ショービジネス”と言われたジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ』の存在を知りました。2019年はジュディが亡くなって半世紀でしたので実にタイムリーな企画だと喜んだものです。レネ・セルヴィカーが演じ大評判になった事から日本でも上映が決まり、さらにレネがアカデミー主演女優賞を受賞したので日本でも大ヒット間違いなし!と思った矢先のコロナ感染拡大。さすがに映画館は避けなければ、との理由から『ジュディ』を諦めました。
自粛期間中に30年近く前に日本で発売されたジュディ・ガーランドのリアルな評伝を読み返しました。
松本さんから映画は晩年のジュディを描いている内容だと聞いていましたので今回は評伝も初めて最後まで読みました。私はジュディでも、ハンフリー・ボガートでも、エヴァ・ガードナーでも誰でもスターの晩年の部分が苦手で、そこまで読みきる事が出来ないのです。やっぱりキツかった!というのが本音です。
特にジュディの様に華やかなミュージカル女優のイメージの人の最期にしては悲しすぎます。そしてつい最近、TSUTAYAのレンタル・コーナーで『ジュディ』とまさかのご対面。主演のレネ・セルヴィカーが晩年のやつれたジュディの雰囲気をよく掴んでいる!声もリアクションもそっくり、唯一歌だけは偽物なんだけどあれだけのジュディ・ナンバーを歌いきるなんて凄すぎる。娘のライザ、ローナ、MGM社長のルイス・B・メイヤー、俳優ミッキー・ルーニーなどあまり似ていないけど、どの俳優もその雰囲気をよくとらえているので違和感がなくて許せる。評伝で読んだエピソードがリアルに映像化されているのですが、逆に観ていてキツくなってしまい、何度も止めてしまいました。中でも離れ離れに暮らす子供達から「パパ(ジュディの前夫)と一緒に暮らしたい。学校も行けるし」と電話で言われる場面が悲惨すぎました。
映画って楽しんで観るもの、と決めている私にとっては久々に最後まで観るのに時間がかかってしまった映画でした。買わなくて良かったとエンドロールが出た時はほっとしました。
ジュディ効果でしょうか?
ジュディがバート・ランカスターと主演したジョン・カサヴェデス監督のシリアスなドラマ『愛の奇跡』(1963)がまさかのDVD発売されました。
日本では劇場未公開ですが、私は1977年にテレビの深夜劇場でこの作品を観ました。当時としては珍しく字幕スーパーでの放映でした。演技を越えたジュディの温かさ、人柄が感じられる作品でした。
興味のある方は是非ご覧になって下さいね。
天野 俊哉
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