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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1781 懐かしのアルバイト・デイズ
 12月になると翌年の真新しいカレンダーを紙袋に沢山入れて他社に挨拶まわりをするサラリーマンの姿をよく目にします。色々大変だった中、この人の会社は無事に年を越せるのだなぁ〜と少しばかりほっとします。
 カレンダー、手帳、ダイアリーノートを見ると思い出すのがカレンダー屋さんでのアルバイトです。売る方ではなくて作って、梱包して、お店に出荷する方の会社ですね。その会社は浜松町駅から歩いて3分位の所にありました。ちょうど40年前の夏休みに友人と3人でハリウッドに遊びに行ったのですが、父から50万円借りての借金旅行でしたので帰国してからは返済が必要だったのです。

 そこのカレンダー屋の社員さんは2月から8月位まではずっと遊んでいて9月から1月まで死ぬ位の勢いで働く、との事でした。「1度会社に集まって日比谷に映画を観に行ったり、新橋にパチンコをしに行くんだよ」と話してくれましたっけ。仕事の内容ですが、最初は大きなカレンダーを丸めたりするのか?と思いきや、私らアルバイトはダイアリーノートを紙のケースに納めてゆくだけ、1日12時間の単純作業でした。直ぐに仲間が出来たので楽しかった!側にはラジオが置いてあって、このバイト中にラジオのニュースでジョン・レノンの死(1980年12月8日)を知りました。私は11月半ばから12月始めまでの20日位だったはず。先ず9時から5時までの定時で働き、残業で11時までというサイクル。それだけで50万円全額返済出来たので確かに高額バイトでした。ちなみに社員さんは連日徹夜をされていて、今日は誰が倒れた!とか、誰が救急車で運ばれた!とか連日凄い状態でした。
 他人事ながら1年間をバランスよく働けないものか?バイト仲間と話し合ったほど苛酷でした。現在そちらの会社の建物は電車から見えないので移転でもしたのでしょうか。

 新型コロナ・ウィルスのワクチン接種が話題になってますね。接種は副作用の事を考えてもう少し慎重に様子を見るべきだと思いますが。
 私がまだ20歳のはじめ頃、大学の掲示板に貼り出されたアルバイト情報には《健康な男子大学生50名求む》とありました。
 都内にある某大学病院での軽作業だとか?
 軽作業ってあたりが何だか胡散臭いけどまあいいや。
 直ぐに申し込みました。
 当時の時給としては良い額でしたから。

 立派な大学病院の裏手にある古い建物にある古いレントゲン写真を別の建物に運ぶだけの単純作業。はっきり言って20名もいればこなせる内容でした。この作業担当に付いたのが野郎ではなく何故か美人女子でした。
 数日間は埃にまみれながら数ある写真の中から演出家の寺山修司さんのレントゲン写真を見つけたり、結構エンジョイしながら働いていました。すぐに仲間も出来ましたし。「レントゲン写真て体に悪いから時給が良いのかな?」と昼休みに数人で駄弁っていると何となく輪に入ってきたのが例の美人女子、そして裏バイトの情報をちらつかせて来ました。
 ひとつ目は《〇〇を提供する》というもの。そしてもうひとつが《薬を飲んで病院に泊まる》というものでしたが、流石にたまげました。それぞれ1回いくら、1泊いくらと大学生には破格のバイト料金でした。ひとつ目は笑えるネタで盛り上がりましたが、薬を飲んで実験材料のモルモットになる事にはみなドン引きしてました。これらのお誘いで初めて貼り紙にあった《健康な》の意味がなるほど、と理解できました。情報通によると未承認の薬を飲む事は、副作用の怖さよりも、長いこと病院に隔離され、監視されるストレスが一番辛いとのことでした。
 私は軽作業を装って学生を集めるやり方に腹をたてたので契約期間でおさらばしましたが、「それらに挑戦するから」と残留した仲間も少なからずいました。多分還暦を越したであろう残留学生達は今頃どうしているのでしょうか?

 最終日、頂いた沢山のお給料を持って数寄屋橋にあった中古レコード専門店のハンターに寄ってレコードを爆買いした事を覚えています。

天野 俊哉



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