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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1754 屋良朝幸さん主演タップ・ミュージカル
 ジャニーズの若手ミュージカル・スター屋良朝幸さん主演のミュージカル『Gang Showman』のレア・チケットを知人に取って頂き日比谷のシアタークリエまで出掛けました。東京宝塚劇場には数えきれない位来ているのに真ん前にあるシアタークリエに入るのは全くの初めてであります。平日の昼時、宝塚の公演があるとこの界隈は大変な賑わいなのですが、この日は何となく静かなので不思議に思ってると宝塚公演は休演日とのこと。シャンテの地下の宝塚ショップもカフェもガラガラなので簡単に入店出来ました。
 開場時間ぴったりにシアタークリエの劇場に入りました。こじんまりして大変綺麗な劇場ですが、このご時世感染防止の為プログラムの販売もチラシの用意もありません。プログラムはネット販売のみとの事。当日のプログラムを楽しみにしていたのになぁ。出演者は半分の方しか知りません。脚本・演出・振付そして出演の玉野和紀さん。
 屋良朝幸さん、中山秀征さん、宝塚OGの妃海風さんと花乃まりあさんだけです。
 あとの方はどの様なキャリアなんだろう?知りたい。

《屋良朝幸さん》
 スケッチのような《スマイル》というクラブを舞台にした10人の人々による人情話。2時間ノンストップ。玉野和紀さんはこの脚本をいつ書いたのかな?と思うくらいリアルタイムな内容で、しかも笑える。
 屋良さんはギャングのくせに潔癖性で、ソーシャルディスタンスが必要で、高所恐怖症で、金属アレルギーという負の人。子分が除菌スプレーを持ち歩いている、シュッ。今回初めて見ましたが凄い才能ですね、この方は。子分の方達とアクロバティックな動きもこなしてましたし、女性とのムードあるデュエットダンスも素敵でした。また、玉野さんと複雑なタップのデュエットまであって驚きました!でも笑える役でした。小柄な体で舞台を動きまわるパワフルな屋良さんの姿を見ていたら昨年若くして亡くなられた森新吾さんを思い出してしまいました。

《妃海風さん》
 宝塚歌劇団の星組トップ娘役でした。全く無名の頃に轟悠さん主演の名作『南太平洋』のヒロインのネリー役に選ばれた、歴代ジェンヌの中でも歌の上手さはトップレベルの方です。台詞も半端ない。今回、真っ赤なワンピースを素敵に着こなし赤いカツラがお似合いでした。登場してすぐの白い羽根を使ったソロ・ナンバーで実力を魅せました。タップの見せ場は宝塚時代には無かったはずですが、ステップをきれいに踏んでました。立ち姿と脚を組んで椅子に腰掛けた姿が美しかった!

《中山秀征さん》
 公演1週間位前に佐藤昇先生のお弟子さんMASASHIさんのインスタ写真で、中山さんがMASASHIさんの元でタップの訓練をしてきた事を知りました。今回の舞台で狂言回しも担当する中山さんのタップは基本から丁寧に稽古を積んできた様です。MASASHIさんの指導の成果が現れてます。芸能人の方の指導のうまさは師匠の佐藤先生譲りなのでしょうね。中山さんはステップを踏んでいる時の表情がとてもリラックスしてました。

 他には、屋良さんの子分役で格好よくステップを踏む中村浩大さんという方が記憶に残りました。タップ・ダンサーとしての玉野和紀さんの舞台は15年ぶり、クリエイターとしてのキャリアも素晴らしい。もっと追いかけて見なければいけませんね。ソーシャル・ディスタンスされた客席は多分ジャニーズ・ファン7割、宝塚ファン2割、タップ・ファン1割位だったと思います。

 とても笑えて楽しめるタップ・ミュージカルでした。

天野 俊哉



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