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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1750 Tip Tap Toe
 珍しくタップっぽいタイトルですね?
 皆さまの嬉しそうなお顔が目に浮かびます。

 懲りずに毎月発売をつづけているコズミック出版という出版社のハリウッド映画のDVD BOXシリーズ。セールスポイントは10枚で¥1800だから1枚あたり¥180だよ、って。でもそれって10作品楽しんで観ての話でしょ?私みたいなレトロなハリウッド映画ファンでも最近は半分の5作品位しか観ないので、1枚あたり¥360位と妙に割高感ありありでございます。最近もジーグフェルド・フォーリーズの大スター、ウィル・ロジャースの伝記『ウィル・ロジャース物語』(1952・日本未公開)だけの為に《西部劇シリーズ》を買ったり、ミュージカル映画の大スター、ジーン・ケリーが主演したサマーセット・モーム原作のサスペンス『クリスマスの休暇』(1944)だけの為に《サスペンス映画シリーズ》を買ったりしましたが、他の9作品を既に観ていたので1作品の為に¥1800かかってしまった!という超割高って訳です。

 で、何でしたっけ?
 そう、Tip Tap Toeでしたね?
 今回コズミック出版から発売された《冒険映画傑作シリーズ/ジャングルの秘宝》に珍しい作品が2つ。水着の女王エスター・ウィリアムスが全く泳がずに闘牛士を演じるMGMミュージカル『闘牛の女王』(1947)とアボット&コステロ主演のコメディ映画『凸凹宝島騒動』(1942)です。1940年代のアメリカで最高の人気を誇ったアボット&コステロの凸凹コンビ作品にはアンドリュース・シスターズ、エラ・フィッツジェラルド、コンドス・ブラザーズなど毎回様々なエンタテイナーがゲスト出演しました。この『凸凹宝島騒動』にゲスト出演するTip Tap Toeは黒人3人組のタップ・ダンサーです。ニューヨークのナイトクラブでジャズのスモール・グループ、フォー・インク・スポットが“シャウト・ブラザー・シャウト”という歌を歌い出します。やがて、白いコック帽を被った3人のコックが現れ大きなテーブルクロスを整理しはじめます。スポットライトが彼らを照らすとその内のひとりがテーブルに飛び乗りタップを踏み出します。彼らこそがTip Tap Toeなのです。まあ実に興奮させてくれます。初めてこの映画を観た時はまさかタップ・ダンサーが出てくるなんて知りませんでしたから凄くビックリしてテレビに駆け寄ったものです。テーブルに飛び乗って踏んで見せる3人3様のスタイルが魅力です。ひとりはジミー・スライドの様にスマートなスライドを見せたり、ひとりはレイ・ボルジャーの様にテーブルから足を落としそうになったり、ひとりは爪先を立てたままウイングのステップを踏んだり、3人揃って達者なアクロバットを見せたりする見事なフラッシュ・アクトなのです。ユニヴァーサルというメジャー会社の映画ゆえセットは豪華ですし、音楽の演奏も派手、タップを見ているお客さんの中にめちゃめちゃテンションの高いおじさんがいて笑わせてくれます。こんな環境でステップを踏めたら最高の気分でしょうね。

 Tip Tap Toeの映像はもちろんYouTubeで観ることが出来ますし、この作品のこの場面もあるかも知れませんが、コメディ映画に突如現れるタップダンス場面のスマートな演出を味わうには、ぜひ映画そのものを観て頂けると嬉しいです。

 《冒険映画傑作シリーズ/ジャングルの秘宝》には往年のハリウッド映画の大スター、クラーク・ゲイブル、タイロン・パワー、ジョニー・ワイズミュラー、ジョン・ウェイン、バート・ランカスター、マーナ・ロイ、デボラ・カーらの主演作品が収録されています。彼らが繰り広げるアドベンチャーの世界をゆっくり楽しみたいと思います。

天野 俊哉



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