TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.1746 もうすぐ生誕100年リンダ・ダーネル
 リンダ・ダーネルはハリウッド映画界では珍しく黒髪に黒い瞳の美人女優さんです。ジーン・ティアニーやアン・バクスターと共に1940年代の20世紀FOX映画を代表する存在でした。

 グラマラスで妖艶な雰囲気のリンダは私が映画を観始めた頃すでに故人で、映画のスター年鑑によると友人宅で焼死とか。今日に至るまで何となく不幸な印象のままです。
 代表作とも言える
『永遠のアンバー』(1947)
『殺人幻想曲』(1947)
『三人の妻への手紙』(1949)

などは中学生の頃にテレビの深夜劇場で観てますがDVDは持っておらず、今回のコラムに支障が出るかな?と思いきや押入れから10本近いリンダの初期の作品が出てきたので在宅自粛の時間を使ってゆっくり鑑賞しました。

『DAY-TIME WIFE』(1939)
 20世紀FOX映画のハンサムな人気スター、タイロン・パワーと堂々の主演。撮影中のリンダは15か16歳なのに人妻役なんて信じられない。タイロン・パワーもまだ28歳位と若いので同世代の女優ロレッタ・ヤングやアリス・フェイとよりもリンダとの方がバランスが良い。日本語字幕無しで観てもかなり面白くて笑いっぱなしでした。こうしたスクリューボール・コメディがハリウッドで製作された最後の時期の作品かも。以前、淺野康子さんが振付した“ムーンライト・セレナーデ”がBGMとして使われている。

『STAR DUST』(1940)
 作品名よりリンダの名前が上に!17歳で堂々のトップ・ビリング。アーティ・ショウの演奏で大ヒットした“スターダスト”が主題曲。ラストにロサンゼルスのチャイニーズ・シアター前にリンダの手形足形を残す儀式が出てくるのが面白い。ハリウッド内幕物の小品。

『怪傑ゾロ』(1940)
 タイロン・パワー主演の痛快活劇。リンダはタイロンのフィアンセ役で目立って可愛いけれど役不足。(写真はずっと下です)

『血と砂』(1941)
 タイロン・パワー主演の闘牛士の世界を描いたテクニカラー大作。リンダはタイロンの献身的過ぎる妻役。
 悪女役のリタ・ヘイワースに全てもって行かれ気の毒なリンダ。

『RISE AND SHINE』(1941)
 まだ18歳のリンダにとってはこうしたカレッジ・ミュージカルはぴったり。白いチア・リーダーの衣裳も健康的でお似合いです。普段は振付がワンパターンのジョージ・マーフィのタップのソロ・ナンバーが素晴らし過ぎるので改めてスタッフをチェックしたら振付がハーメス・パン(アステアの専属振付師)でした。リンダとジョージが自転車に乗って見せる軽快な振りも最高!

『SWEET AND LOW DOWN』(1944)
 ビッグ・バンド全盛期の1944年、主演のベニー・グッドマン楽団に絡むのがジャック・オーキー、リン・バリそしてリンダ。無駄に使われているだけ。

『SUMMER STORM』(1944)
 メロドラマの巨匠ダグラス・サーク監督がチェーホフの名作を扱う。やっとリンダお待ちかねの題材、ふしだらな女の役に。
 もち、殺されます!

『FALLEN ANGEL』(1945)
 ノワール映画の名作『ローラ殺人事件』に続いて奇才オットー・プレミンジャー監督が手掛けた作品。男を手玉にとるカフェのウェイトレス役に。
 もち、殺されます!

『荒野の決闘』(1946)
 ジョン・フォード監督の西部劇の名作。ヘンリー・フォンダとヴィクター・マチュア主演。リンダはヴィクター・マチュア扮するドク・ホリディに想いを寄せる酒場女チワワの役。ギターを弾きながら歌う場面も。23歳にしてようやく演じがいのある役に出逢えました!が、またしても殺されます!

 リンダは『王様と私』のオリジナル作品『アンナとシャム王』(1946)で女奴隷タプティム役を演じ、王様に殺されたのち、先のテクニカラー大作『永遠のアンバー』で主演を飾ることになります。

 今回は公私共に何となく不幸だったハリウッド女優リンダ・ダーネルを取り上げました。

天野 俊哉



Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.