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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1732 もうすぐ生誕100年ジュディ・ガーランド
 昨年、サンフランシスコ在住の松本晋一さんからアメリカが生んだ最大の女性歌手ジュディ・ガーランドの晩年を描いた映画『JUDY』の情報を頂きました。さらに年末、『2019年の東京リズム劇場』で私のパートナーをつとめてくれた簗瀬あずささんから戸田恵子さんがジュディ・ガーランドを演じた舞台をご覧になったという情報を頂き、2019年はジュディがロンドンで急死してからちょうど半世紀、没後50年に相応しい記念すべき年なんだなぁ、と感心したものです。そして今年のアカデミー賞ではジュディを演じたレネ・ゼルウィガーがアカデミー主演女優賞を受賞して、いよいよ映画『JUDY』が日本公開!と華やかな幕開けになるはずだったんですが新型コロナウイルスの影響で・・・。何か不運な辺りがジュディの人生と重なってしまったようです。

 緊急事態宣言をうけての在宅自粛の土曜の午後、外は春にしては珍しい暴風雨で荒れ狂っていました。ボーッとテレビを眺めていたらお馴染みのMGM映画のライオンが2度吠えて“Over the Rainbow”の音楽と共に映画『オズの魔法使』が始まったのでビックリしました。まだ16歳のジュディがカンサスの農園で歌う主題歌が素晴らしい!私は今回の映画『JUDY』もパス、生誕コラムもパスするはずだったので、『オズの魔法使』が急に現れたのは天国のジュディから私へのメッセージだったのかも知れません。ことジュディ・ガーランドに関しては、私のミュージカル映画の師匠である重木昭信氏、松本晋一さんをはじめ筋金入りのファンが多くて私などは足元にも及ばないのです。

 ジュディはジーン・ケリーと共に1940年のMGMミュージカルの大黒柱でした。この2人の人気を後押ししたのが第二次世界大戦で戦っていた若いアメリカの兵隊達だった、と私は読んでいます。ジュディが“Over the Rainbow”を歌い出すと拍手が鳴りやまず、多くのアメリカ兵がジュディとジーンが映画でデュエットした“For Me and My Gal”を口ずさんでいたそうです。小柄なジュディが軍服に身をつつんで歌うアメリカ讃歌のパワーはエセル・マーマンの比ではなく、現在の私などが聴いても底知れぬ迫力を感じます。また、ダンスに関してもジーン・ケリー、ミッキー・ルーニー、ジョージ・マーフィ、バディ・エブセン、レイ・ボルジャーそしてフレッド・アステアら名手相手に堂々のダンサーぶりを見せました。スクリーンを通して見せるその飾らない愛すべき個性は全ての人を虜にしてしまうのです。

 松本さん情報だとサンフランシスコの映画館では今年に入って『JUDY』と本物のジュディが主演した最後の映画『I COULD GO ON SINGING』が2本立てで上映されたそうです。私はこの作品を16歳の時テレビで『歌に生きる』のタイトルで観たのですが「ドラマの部分は退屈なのに、ジュディが歌う舞台の場面に震えがくる!」と生意気な感想を残しています。
 ジュディ・ガーランドが残した多くのミュージカル映画や録音によってこれからも多くのジュディ・ファンを作り続けるに違いありませんね。

天野 俊哉



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