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Vol.1721 もうすぐ生誕100年エヴァ・ガードナー〜ハリウッドのヴィナス女優
 1922年12月24日に生まれたエヴァ・ガードナーは1950年代のハリウッド映画を代表する美人女優。

 プライベートでは3回の結婚をしましたがいづれも大物ばかり。1930年代のアメリカ映画界で最も人気の高かった俳優のミッキー・ルーニー、スイング・ジャズ全盛時代に最も人気の高かったアーティ・ショウ、そしてアメリカのポピュラー界の王様ともいえる歌手のフランク・シナトラ。
 つまりはこれだけの大スターをなびかせる女性なのですねエヴァは。エヴァは1990年に亡くなりましたが、その数年後に講談社から「エヴァ・ガードナー/美しすぎた女の一生」なる評伝が出版されましたが、マリリン・モンローでもオードリー・ヘプバーンでもなくエヴァというのが驚きでした。もちろん映画女優としてよりも3人の元ダーリンとのエピソードに比重を置いてはいましたが。では、映画女優としてのエヴァはどうだったのか?このコラムの為に何作品かチェックしたかったのですが全く見当たらないのですね映像が。ただ、学生時代にテレビで山ほどエヴァの作品を観ておりますので、古い記憶を辿りながら進めてゆきます。

 エヴァは10代後半でMGM映画と専属契約を結んだ純粋なスタジオ女優さん、つまりは会社のあやつり人形でしたが、まれに見る美貌ゆえ会社が懸命にスターにしようとした人です。そのわりに脇役時代が長かったのは、第二次世界大戦にぶつかってしまったせいでしょうか?戦争が終わって映画界に起こったのがノワール映画ブーム。新人のバート・ランカスターと組んだ『殺人者』で2人ともスターになりました。私が初めてエヴァを観たのがこの『殺人者』とMGM創立50周年記念映画『ザッツ・エンタテインメント』。
 『ザッツ』に収録されたMGM映画の専属スターが全て集められたMGMのパーティー映像でした。エヴァはハリウッドのキング、クラーク・ゲイブルと並んでタバコをスパスパ吸いまくっています。このツー・ショットのインパクトが凄かったのですが、GABLEとGARDNER単にアルファベット順の並びというだけのものでした。
 エヴァの初期の作品で好きだったのが『ヴィナスの接吻』と『パンドラ』でした。共演の男優がそれぞれロバート・ウォーカー、ジェームズ・メイスンという地味な方々。ヴィナスやパンドラといった人間ばなれしたエヴァの役柄は映画に登場する男連中を、さらには観客を虜にしてしまいました。

 その後、ロバート・テイラーとの『賄賂』『円卓の騎士』『荒原の疾走』、グレゴリー・ペックとの『キリマンジャロの雪』『渚にて』、クラーク・ゲイブルとの『栄光の星の下に』『モガンボ』等はさすがに男優の作品なのでエヴァと言えどサポーティングに落ち着いていました。逆に、ハンフリー・ボガートとの『裸足の伯爵夫人』、タイロン・パワーとの『陽はまた昇る』でのエヴァは情熱的なスペインの女性をイキイキと演じていました。さて、そんなエヴァ最大の当たり役は多分MGMミュージカル大作『ショウ・ボート』の混血娘ジュリーかも知れません。ゴージャスな衣裳に身を包み笑顔とお色気を振りまいていました。残念ながら歌は吹き替えられてしまいましたが、違和感なく作品に溶け込んでおりましたし、テクニカラーの美しさがエヴァをより輝かせてました。映画のラスト・シーンを飾るエヴァのクローズ・アップが懐かしい!

 1950年代後半、映画の撮影中の事故で美しい頬を傷つけて以来、精神的な不幸を背負う事になってしまったとか。私が映画ファンになりたての1970年代エヴァはまだ現役の女優として活躍し充分に美しかった。しかも『大地震』『カランドラ・クロス』『青い鳥』といった大作や話題作ばかりだったのは流石です。その頃のエヴァってまだ50代半ばだったのですね。

 今回は《ハリウッドのヴィナス女優》エヴァ・ガードナーを取り上げました。

天野 俊哉



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