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Vol.1707 もうすぐ生誕100年リザベス・スコット〜ファム・ファタール?
 1940年代後半にアメリカで流行った犯罪映画(フィルム・ノワール)で男を惑わす悪女役(ファム・ファタール)として活躍したのがリザベス・スコットです。

 かつて私の知ってるリザベスは明るいイメージでした。小学生の時に大好きだったディーンマーティン&ジェリールイスのコメディ『底抜けびっくり仰天』と母が大好きだったエルビス・プレスリーのミュージカル『さまよう青春』のヒロインとしてのリザベスを観ての事です。

 ところが、私が19歳の時リザベスは《ノワール映画の妖しいファム・ファタール》なる凄い位置付けのハリウッド女優として華々しく現れました!ブロンドの長い髪を垂らしていて妖艶な雰囲気でした。そう、名優ハンフリー・ボガートの古い作品が日本で劇場初公開されたからです。『大いなる別れ』というよく分からないタイトルがついてましたが、リザベスの名前がボギーと同じくらい大きいので驚いたものです。
 その後、今日までリザベスの映画をかなり観てきましたが、困ったくらい彼女の記憶が無いのですね。今回このコラムの為に《リザベス・スコット映画祭》を開催しました。
 先日105歳の高齢で亡くなった名優カーク・ダグラスの自叙伝によるとリザベスは「プロデューサーのハル・B・ウォリスの愛人だった」そうで「リザベスが撮影中いつもウォリスに泣かされていた」ので「その後の撮影が大変だった!」そうです。
 なんなんでしょね?
 大物プロデューサーのくせに心が狭かったのかな?

『Strange Love of Msrtha Ivers』(1946)
 刑務所あがりの謎の美女がリザベスの役柄。主役のヴァン・ヘフリンと真面目な恋愛をする役柄なので主役でタイトル・ロールのバーバラ・スタンウィックとの絡みはほとんど無いのが残念。カーク・ダグラスのハリウッド映画デビュー作品です。


『大いなる別れ』(1947)
 ハンフリー・ボガートに絡む謎の美女リザベス。クラブで歌ったりドレス・アップしたりベレー帽被ったり何となくローレン・バコールに似てる?煙草をスパスパ吸いまくりハスキーな声までそっくり。彼女を見つめるボギーの表情を見ていると何となくローレン・バコールが浮かんできてしまいます。中背のボギーとはバランスが良いのにリザベスのスケールの小ささが気になる。

『I Walk Alone』(1948)
 『暗黒街の復讐』のタイトルでテレビの深夜劇場で観た作品。まだ新人だったバート・ランカスターとカーク・ダグラスのご両人に惚れられる女がリザベス。またしてもクラブ歌手役でピアノを弾きながら歌います。悪い女じゃないのでつまらない。


『Pitfall』(1948)
 真面目な保険外交員ディック・パウエルら3人の男を翻弄して彼らの人生を破滅させてしまう若い女性がリザベス。この展開を待っていました!モーターボートを笑顔で運転するフレッシュなリザベスに中年プロデューサー、ハル・B・ウォリスを夢中にさせた魅力を見た気がしました。





『Dark City』(1950)
 ハリウッド最後の大スターのひとりチャールトン・ヘストンのデビュー作。白黒映画ながらウォリス製作、ウィリアム・ディターレ監督、フランツ・ワックスマン音楽など一流のスタッフが揃う。リザベスはクラブ歌手役でハスキーな声でジャズの名曲を歌います。
 ブロンドの髪にパーマをかけた1950年代の典型的なアメリカ女性の髪型がやや老けて見えるのが残念です。
 競馬のノミ屋の話かと思いきやまさかの展開に。

『Racket』(1951)
 リザベスがRKO映画でロバート・ミッチャム、ロバート・ライアンという渋い2大スターと初共演。かつてフランク・シナトラが映画で披露した“A Lovely Way to Spend An Evening”を歌う歌手役のリザベス。

 ハリウッド映画の大物プロデューサー、ハル・B・ウォリスが映画界にスカウトした大スター
 バート・ランカスター
 カーク・ダグラス
 チャールトン・ヘストン
 ディーン・マーティン&ジェリールイス
 エルビス・プレスリー

の初期の作品に招かれ、男優達を引き立てた実は笑顔が一番魅力のリザベス・スコットを取り上げました。

天野 俊哉



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