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Vol.1706 もうすぐ生誕100年コリーン・グレイ&バーバラ・ベル・ゲデス
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朝から晩までテレビ映画劇場にのめり込んでいた学生時代に観た沢山の映画の中でも記憶に残っている女優さんコリーン・グレイとバーバラ・ベル・ゲデスの2人を取り上げます。
「ダレデスカソレ?」
もう皆さまぶちギレ寸前のお顔が目に浮かびます。
共に1922年生まれのハリウッド映画の女優さんですよ。
《コリーン・グレイ》
コリーンはベティ・デイビスやキャサリン・ヘプバーンらと違い一枚看板で主役をはる女優さんではありません。あくまで男優のサポーティング専門。
私がコリーンを初めて観たのが『恋は青空の下』という作品。歌手で俳優のビング・クロスビー主演の競馬界を舞台にしたミュージカル・コメディで、コリーンが健康的なヒロインをつとめました。ビングと馬の世話をしたり、“草競馬”を歌ったりするミュージカル場面をよく覚えています。『スミス都へ行く』等の名作を創ったフランク・キャプラ監督作品でした。これを機にコリーンの出演作品に注目する様になりました。彼女はデビュー当時にジョン・ウエイン主演の西部劇『赤い河』やヴィクター・マチュア主演のギャング映画『死の接吻』にも出演しているようですが、男優をメインとした作品のカラーが強すぎてコリーンの記憶は全くありません。テレビ放映用に彼女の出演場面が大幅にカットされてしまったのかも知れませんが。
このコラム用にコリーンの出演する作品のDVDを2本観ました。先ずは1947年の『Nightmare Alley』ですが往年の2枚目俳優タイロン・パワー主演の見世物小屋を舞台にしたかなり奇妙な話です。ブロンドの長い髪を下ろしたコリーンは実にフレッシュでキラキラしています。見世物小屋での衣裳姿も出世してからのナイトクラブでの衣裳姿も素敵です。後半、ハンサムなタイロン・パワーがどうして猿人みたいな風貌になってしまうのか?理解に苦しみます。続けてコリーンが5年後の1952年にジョン・ペインと主演した犯罪もの『アリバイなき男』を観ました。ここでのコリーンは、私が長らく持ち続けているショート・カットの髪型なのですが、先の作品からわずか5年なのに、よく言えば落ち着いた!悪く言えば老けてしまった感じなのですね。それで大学生の役なんて嘘みたいです。これでは仕事のオファー少なかっただろうな?と余計な事を。
チャンスがあったらもう一度『恋は青空の下』を観直してみたいと思いました。
《バーバラ・ベル・ゲデス》
バーバラはコメディアンのダニー・ケイが演じたコルネット奏者レッド・ニコルズの伝記『5つの銅貨』での優しい奥さん役で知られています。
舞台女優から25歳でハリウッド入りして名優ヘンリー・フォンダ主演の『The Long Night』でデビュー。殺人を犯して立てこもるヘンリー・フォンダの恋人役を。続いて名作『ママの想いで』の長女役を演じました。バーバラは演技が確かで前途有望な若手女優だったのに映画に出演出来ない時期が来ることに。ブロードウェイ時代に主演した作品『ディープ・アー・ザ・ルーツ』の演出家が元共産党員エリア・カザン、テーマが黒人差別の告発だった事から《赤狩り事件》に巻き込まれ仕事を失ってしまいます。
人の噂も75日。
時は過ぎてバーバラはアルフレッド・ヒッチコック監督『めまい』でカムバックを。主人公のジェームズ・スチュアートを支える優しい女性の役柄でしたが、これが『5つの銅貨』に繋がった様な気がします。
実に45年ぶりに『5つの銅貨』を観ましたが、歌に、踊りに、演奏に、笑いに、涙に優れてた作品なのにビックリ。奥さん役のバーバラも良妻賢母の落ち着きだけでなく楽団の歌手として華やかに歌うのです。しかも吹き替えなしとは凄い。芸達者なダニー・ケイに喰われる事なく、可愛い子役達に場面をさらわれる事なくバーバラ・ベル・ゲデスの存在価値を高めました。不遇な時代を経て名作映画のヒロイン、さらには1970年代に名作ドラマ・シリーズ『ダラス』にまで出演してさらに名声を高めました。
天野 俊哉
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