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Vol.1689 (祝)100歳〜映画研究家の児玉数夫さん
 児玉数夫さんは映画評論家というよりも映画研究家として半世紀以上に渡って沢山の著書を出版してきました。映画全般に詳しい方ですが、アメリカの喜劇王バスター・キートンと1920年代の美人女優サリー・アイラースの大ファン。1920年4月30日生まれですので今年100歳になられます。

 1970年代の初めに川喜多長政社長の東和映画がアメリカの偉大な喜劇王チャールズ・チャップリンの名作上映をスタートし、日本中にチャップリン・ブームを起こしました。それを追うように今度は川喜多長政社長の長女の川喜多和子さんのフランス映画社がチャップリンと並ぶ喜劇王バスター・キートン映画の名作上映をスタートしました。
 私は12歳でこうしたチャップリンやキートンのサイレント喜劇に興味を持ち、遂に夏休みに一人で有楽町まで出掛けて行き、ニュー東宝シネマ2で『キートンの蒸気船』『キートンの鍛冶屋』を観たのです。さて、ビデオもネットも存在しない1973年当時の日本にはこうしたサイレント喜劇、チャップリン、キートンに関する情報は映画館で販売されているプログラムしかありませんでした。そんなある日、地元の葛飾図書館の映画書コーナーでたまたま見つけたのが児玉数夫さんの『活動狂時代』(三一書房1967)なる新書でした。サイレント映画時代の記録満載で、しかもキートンに関するページが多かった!それ以降何度も『活動狂時代』を借りてきて読み漁り児玉さんファンになりました。今日まで書店で興味を引く映画書の多くが児玉さんの新刊でしたのでどんどん買いまくりました。とは言え私の持っている児玉さんの本は半分程度でしかありません。

 さて、児玉さんの映画書の特徴を挙げると
@あくまでご自分のこだわり
 キートン映画、ターザン映画、西部劇、探偵映画、ミュージカル映画など他の人があまり取り上げないジャンルがやたら多い。
 映画史に残らない些細なことを中心にしている。取り上げるスターもオードリー・ヘプバーンら有名な人よりも日本であまり知られていない人のが多い。

A出版社が様々すぎる
 新潮社や小学館の様な大手からブロンズ社や右文書院みたいな無名の出版社まで幅広い。これは児玉さんの守備範囲の広さと映画オタクさを物語っていると思います。デザイン関係の出版社のものもあり、高価でいまだ買えないものもあります。

B掲載する写真など全てご自分のコレクション
 何処かで見たような写真を使わず。ご自分がコツコツ集めてこられた物ばかり。
 アメリカで公開された当時の新聞広告とか日本で公開された時の映画雑誌やプログラムなど。これらの素晴らしいコレクションをぜひ拝見したいです。

C映画愛に満ち溢れている
 児玉さんの文章を読めばキートンならキートン、ターザンならターザンへの並々ならぬ思い入れを感じずにはいられません。しかも批判など一切せず楽しむポイントばかり。さらには、劇場公開されずテレビで放映された映画まで全て追いかけてチェックを欠かさない。例えば、1977年6月17日真夜中にTBSでひっそり放映されたフレッド・アステアがホストをつとめた『想いでのフォックス・ミュージカル』までご覧になっている!

D著書の最後にプロフィールと共に必ずご自分の住所を掲載。以前には電話番号も
 私は長いことこの意味が分からなかったのですが、どうやら読者から直接感想を送って欲しいらしい、のですね。めちゃめちゃ映画愛感じますねぇ。

 現在、ビデオやDVDの普及でアメリカの喜劇王バスター・キートンの作品もそのほとんどを観る事が出来ます。数年前、そのキートンが1933年にフランスで主演した『キートンの爆弾成金』をアメリカのコレクターから入手しました。“笑わぬ喜劇王”キートンが映画のラストに笑顔を見せる事で有名な作品。さすがに市販されていないレアな作品だったので児玉さんにも観て頂こうとDVDを送らせて頂きました。数日して何と児玉さん直筆の礼状が届いたのでびっくりしました。このお手紙宝物です。この作品には『キートンの顔役』という題名もあるそうで、児玉さん記憶力も凄いのですね。

 この機会に久しぶりに手紙出させて頂くつもりです。
 いつまでもお元気で!

天野 俊哉



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