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Vol.1674 もうすぐ生誕100年ラナ・ターナー〜ハリウッドを代表するスキャンダル女優
 1940〜60年代の長きにわたりハリウッド映画でグラマラスな魅力で人気の高かった女優が1921年2月生まれのラナ・ターナーです。演技がどうのこうのではなくて、映画では華やかに、プライベートはスキャンダラスに、こそがラナでした。男性のフランク・シナトラと共にスキャンダルに潰されなかった珍しい存在でもあります。
 MGM映画の他のスターと同じ様にラナも撮影所でダンスを学んだ流れで、デビュー当時はミュージカル映画が続きました。1939年に人気バンド・リーダーのアーティ・ショウと主演した『ダンシング・コーエド』では早くもタップ・ダンスをソロで踊らされます。映画のスチル写真ではきらびやかなハイヒールで素敵なポーズを取っており楽しみにしていたのですが、いざ映画を観ると生徒さん達が教室で履いている様なローヒールのタップ・シューズなので笑ってしまいました。

 1940年にはフレッド・アステアやエレノア・パウエルとタップ・ダンスのデュエット経験のあるミュージカル・スターのジョージ・マーフィと組まされ『トゥー・ガールズ・オン・ブロードウェイ』に主演し、マーフィと二つの大きなダンス・ナンバーをこなしました。これでラナもミュージカル女優まっしぐら?かと思いきや、撮影中にアーティ・ショウと駆け落ちしてしまい一夜にしてミュージカル女優からスキャンダル女優に転落。
 ところが神はラナを見捨てず、『無法街』でクラーク・ゲイブルと、『ジョニー・イーガー』でロバート・テイラーと、『ジキル博士とハイド』でスペンサー・トレイシーと、『美人劇場』でジェームズ・スチュアートらMGMのトップスターの作品にキャスティングされました。中でも1946年にジョン・ガーフィールドと主演した『郵便配達は二度ベルを鳴らす』はフィルム・ノワールの名作となりました。
 他にも『大地は怒る』『帰郷』『三銃士』『悪人と美女』『メリー・ウィドウ』等、MGM映画らしい華やかな主演作品が多くて私は結構好きな女優です。

 1950年代後半、MGMからユニヴァーサル映画に都落ちした頃にラナの娘がラナの愛人を刺殺する大スキャンダルが起きて、もはやここまで?かと思いきや悲劇の女王としてカムバックしてしまいました。「娘の弁護で法廷に立ったラナがアカデミー賞ばりの演技をみせた!」とアメリカ中のマスコミが取り上げたのは有名な話です。ダグラス・サーク監督の『悲しみは空の彼方に』はあまりにも当時のラナにピッタリで何度観ても笑って、いや感心してしまいます。

 数度の結婚と男性遍歴には触れませんでしたが、ラナの娘シェリルが近年出版した写真集「LANA」を取り上げた関連コラムVol.608もあわせてお読み下さいね。
 今回はハリウッドを代表するスキャンダル女優ラナ・ターナーをご紹介しました。

天野 俊哉



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