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Vol.1667 もうすぐ生誕100年アレクシス・スミス〜わたしテーマ曲があるんです
 アレクシス・スミスは、1921年6月に生まれた大柄なハリウッド女優さん。アレクシスには“サム・サンデー・モーニング”という映画の中で歌ったものがあり、大ヒットしたりアカデミー主題歌賞にノミネートされた事から、後年まるで彼女のテーマ曲の様に扱われた事です。

 アレクシス・スミスは1940年代を代表するワーナー映画の女優さんですが、ベティ・デイビスやオリビア・デ・ハヴィランドの様な演技派ではなく、かと言ってジョーン・レスリー程のアイドルでもなくどの様な位置付けであったのか分かりません。ミュージカル映画『サンク・ユア・ラッキー・スター』ではダンサーとして男性を従えてラテン系の踊りを見せていたのでダンサーかと思いきや音楽家コール・ポーターの伝記映画『夜も昼も』ではケイリー・グラント演じるコール・ポーターの奥さん役で歌いも踊りもせず、そのくせエロール・フリン主演の西部劇『サン・アントニオ』では酒場の場面で先にあげた“サム・サンデー・モーニング”を歌って大ヒットさせてしまったりホントに良く分かりません。

 アレクシスはかなりの長身(173〜176cm諸説あり)であるが為に相手役や役柄が限定されてしまったに違いありません。『サン・アントニオ』や『鉄腕ジム』で共演したエロール・フリン、『夜も昼も』で共演したケイリー・グラント、『スタリオン街道』で共演したロナルド・レーガンらは180p以上の長身ですし、1950年代に西部劇に出演するようになってからも大柄な男優との共演が多かった様です。
 唯一の例外がハリウッドを代表する名優ハンフリー・ボガートの存在でした。アレクシスより小さいボギー(公称173cmだが170cm以下が有力説)とは『追求』と『第二の妻』の2作品に、しかも1940年代にブームだったノワール作品での共演でした。もう40年近く前に観たきりなので良く覚えてませんが、確かボギーの奥さんの妹がアレクシスで、この妹にボギーが惚れてる!なんてお馬鹿な内容でした。まだ10代だった私は呆れ果てて観てましたよ。『カサブランカ』や『マルタの鷹』のヒーローが、ですからねぇ。会社のワーナー映画もですが、どうしてボギーがこの役を断らなかったのか?何方かにか教えて頂きたいものです。まあ、会社はアレクシスに中年男性を翻弄するファム・ファタールを演じさせたかったのが本音なんでしょうが、ラナ・ターナーやリタ・ヘイワースの妖艶さを持ち合わせていないアレクシスは見事に空振りでした。『第二の妻』なんてどんな映画だったのかすら記憶にありません。
 後年、この真面目な中年男が奥さんの妹に惚れてしまう罪な作品を連発したのがウディ・アレン監督で、しかもコメディでした。やっぱコメディなんですよ。

 以上脱線しましたが、アレクシス・スミスのご紹介でした。

天野 俊哉



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