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Vol.1657 もうすぐ生誕100年ヴァリ、ゲイル&ナンシー
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今回取り上げる方々は1921年春に生まれただけの関係でY'sコラムにて初共演となります。皆さんハリウッド女優ですよ。
イタリア人のヴァリ
歌手が本業らしいゲイル・ロビンス
舞台が本業らしいナンシー・ケリー
あまり有名ではありませんし、早い話私が彼女達の映画をほとんど観ていないのであります。悪しからず。
《ヴァリ》
イタリア生まれの彼女はハリウッドに招かれてアリダ・ヴァリという芸名で数本の映画に主演しました。
アメリカ人から見ると神秘的なイメージなのか?男を惑わす役が多かった様で。
スリラー&サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックが監督した『パラダイン夫人の恋』(1948)でタイトル・ロールを演じました。ヴァリが法廷に立ち、彼女を弁護するのがグレゴリー・ペック!たまにテレビで放映されるのでこれ以上語れませんが、あれだけハンサムで、ハリウッドの良心とまで呼ばれたペックさんが何故ヴァリに翻弄されてしまうのか?最後まで理解できませんでした。
次。『奇蹟の鐘』(1948)はハリウッドの映画監督役のフレッド・マクマレーが《ジャンヌ・ダルク》を撮るのでヒロイン役にヴァリを抜擢するが、みたいな話でした。
今度はジャンヌですよ。
今回ヴァリに翻弄されるのがハリウッドを代表する愛妻家のマクマレー。そしてもうひとりがフランク・シナトラ。はい、歌手で俳優のフランク・シナトラです。
笑えるのがシナトラが演じるのが神父さん。
アリエナイ!
かなり昔に観たきりなのですが、途中で彼女が亡くなるような設定だったような。シナトラが賛美歌みたいな冴えない曲を歌ってます。
ハリウッドに背を向けたヴァリさんイギリスで遂に名作に出会います!
『第三の男』(1949)
原作グレアム・グリーン
監督キャロル・リード
ああっ、チターのメロディで始まるタイトル・ロールが目に浮かびます!
今回ヴァリさんに翻弄されるのが、ハリウッドの異端児オーソン・ウェルズと昔のイケメン俳優ジョセフ・コットン。まだまだ有名な作品ゆえ多くは語れません。観覧車の場面と並木道のラストシーンをもう一度大きなスクリーンで観たい!
以上、ヴァリでした。
《ゲイル・ロビンス》
私、ゲイルさんの映画って2本しか知りません!
「それで偉そうにコラムかい?」
すみません!
ゲイルはソフトなグラマーという感じで、イヤらしさは無かったのですね。
まずはフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャース最後のコンビ作品『ブロードウェイのバークレー夫妻』(1949)。まさか、アステアさんがゲイルに翻弄されてしまうなんて事じゃ?彼女が演じるのが事もあろうにロジャースの代役の役なんです。もちタップを踏む場面なんかはありませんが、ロジャースが怪我をして休演する事をひたすら祈っているイヤな女の役であります。
そしてもう1つがフレッド・アステアとヴェラ=エレン主演のミュージカル『土曜は貴方に』(1950)。ゲイルさんに翻弄されるのが、アステアの相棒役のレッド・スケルトン。しかしながら、ゲイルさんが歌う“All Alone Monday”はしっとりしていて素敵です。この作品ではゲイルさんの代役の役があってアーリン・ダールという女優さんが演じています。ゲイルは歌手としても知られていて、私は聴いたことがありませんが、レコードも出しています。
以上、ゲイル・ロビンスでした。
《ナンシー・ケリー》
小学生時代、テレビ映画劇場で頻繁に放映されていたのが『悪い種子』(1955)という恐い恐い恐い映画でした。10歳くらいの女の子が同級生の男の子らを簡単に殺してゆく話なのですね。その母親役がナンシー・ケリー。まだ30代なのに!
フィルモグラフィを見るとナンシーさんは不思議な位色々な作品に色々な役で出演している事で、先のヴァリやゲイル・ロビンスとは違う所です。
中学生時代、テレビの深夜劇場でジョニー・ワイズミュラーのターザン映画が全部放映されましたが、そのひとつ『ターザン砂漠へ行く』(1943)はターザンの相棒ジェーンが出演していないので有名な作品です。
仕方なくヒロインとして出演したのがナンシー・ケリー。あまり記憶にありません。
タップの先生になってビデオ時代の到来。コメディのエディ・キャンターとダンスのジョージ・マーフィが主演したRKOミュージカル『Show Business』(1944)が待望のビデオ発売。この作品に意地の悪い、嫌われものの女性が登場するのですが、これがナンシー・ケリーでした。ナンシーさん途中からキャンターのグループに加わりブロードウェイの舞台に。キャンターとマーフィは白の燕尾服、ナンシーとコメディエンヌのジョーン・デイビスの女性2人は白のラメ入りミニドレス。4人とも顔を黒く塗っています。この4人が“Dinah”をワン・コーラス歌った後、曲がテンポアップしてタップを踏み始めます!タップ・ダンサーはマーフィだけで、キャンターとデイビスはどことなく心もとない!足がシャフル・ステップ踏んでないし?そんな中、健闘しているのが意外にもナンシー!
舞台女優の噂もある彼女、フレッド・アステアやエレノア・パウエルと共演してきたマーフィの隣で終始笑顔で目線も堂々としたものでした。
凄いぜ!ナンシー!
以上、ナンシー・ケリーでした。
天野 俊哉
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