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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1652 橋本祥さん夢のリサイタル『GIFT』(前編)
 7月の森田洋輔さん、8月の穴田英明さんに続いてこの9月にはついに橋本祥さんが念願のリサイタルを開きました。橋本さんがこの公演の告示をしてから日本のタップ・ダンス界が「祥さん、いったい何をやるのだろう?」いや「何をやらかすのだろう?」と興味深く見守ってきたに違いありません。いや、私は見守ってきました。凄いのは前日『ヒグチ・ダンス・スタジオ発表会』の亀有に次いで、この公演も町屋、そう千代田線の町屋がその開催場所に選ばれたのです!元千代田線沿線在住の私としては何となく誇らしい出来事であります。

 皆さん奇蹟が起きました!
 開場の5分前にムーブ町屋に到着、行列に5分だけ並べました。そして「開場しまーす!」というスタッフさんの音頭で場内になだれ込みました。と言っても別に最前列を目指すでもなく、全体が観やすい後の方に着席するだけです。この日も音響の飯田さんの所へ「12月のY'sの発表会よろしくお願いいたします」とご挨拶に。昼の部では私のお隣にはみすみ“Smilie”ゆきこ先生とRAGダンス・スタジオのなつさんがいらして一緒に楽しみました。
 パンフレットには橋本祥さんと私の6ページにわたる対談小冊子が挟まれておりました。しかもカラーです。これ、はじめはパンフレット内の予定でしたが、2人があまりに喋りすぎてパンフレットには絶対収まらないのでこのスタイルになったそうです。
 お金がかかってしまいましたね、すみません!

《オープニング・ナンバー/若手の振付作品》
 さて、リサイタルでも、ショーでも、レヴューでも一番大切なのがお客様を掴むオープニング・ナンバーなのです。橋本祥振付“I Land”があまりにインパクトの強いオープニングだったので2公演観る事が出来て正解でした。この構成はまさしく松本晋一スタイルですね、私もやらせて頂きました。スタンド・マイクの3人の歌手をバックにカラフルな衣裳の男女が踊る!黄色い燕尾服で登場し、歌う橋本祥さんはもうアイドルです。華やかです。スターです。途中から乱入してくるタップ・ダンサーたち、ゲストの浦上雄次さん、白川希さん、メガネをかけた加藤忠さんらが然り気無く登場するのが良いのです。赤いダービー帽に赤のスーツを着た浦上さんかっこよすぎ、白川さんかなり稽古させられたのかな?ハイレベルなダンサー達に混じって完璧に踊れてましたよ!
 このアンサンブルがパッとポーズを決めると直ぐに次の曲、シャンソンの“セ・シ・ボン”がかかり、首藤直子さんと橋本拓人さんがポーズをとったダンサーの間を踊りながら舞台の前に出てくる。イキな演出ぅ。主役の橋本祥さんとの絡みも良いですね。そしてダンサーたちゆっくりフェード・アウト、中割がゆっくり閉まってゆきます。首藤直子さん振付のお洒落なデュエット。途中ボージャングルスのステップを軽く入れたり遊び心一杯。
 今回の舞台はGIFTがテーマなので作品のあちらこちらに贈り物やお花などが登場するのが私の大好きな演出です。首藤直子さんと橋本拓人さんのコンビは2部のオープニング“Rise and Fall”では客席後ろから登場しました。音楽の中でも振りを付けずに立っているだけの間の使い方が上手く、毎回ワクワクしながら橋本拓人さんの作品を拝見しております。ヘアスタイルのせいか一段と男前ななった橋本拓人さんが和の世界に挑戦した“Wamono”も音楽の選び方が絶妙でしたが、衣裳にひと工夫があっても良かったかな?とも感じました。首藤直子さんが椅子を器用に使った振付作品“Dummy”は、選曲の奇抜さから展開までまさに『SachisTDTの世界』を思い出してしまいました。新作なのでしょうが、懐かしさを感じる作品でした。首藤さん振付でも成長が感じられますね。

《ダンスの世界》
 橋本祥さんはタップだけでなくジャズ・ダンスの振付にも才能があってそれがラテン・ジャズの“El Compadre”、ニューヨーク・テイストの“You Make Me Feel So Young”、アダルトな女の世界“Raise The Roof”で花開いてました。もちろん橋本さんの振付に応えるお弟子さん達の存在が頼もしいのです。この3曲は、昼の部が終わってプログラムを見返しながら《夜の部でじっくりチェックしながら楽しむ作品》に選びました。
 このリサイタルには、スタジオGAMBAのダンスの先生方がオール出演されているのが何とも心強い。ヒップホップのCammyさんはジャネット・ジャクソンの曲でのソロだけでなく、アンサンブル・ナンバー、ラテン・ナンバー、さらには浦上雄次さん橋本拓人さんらタップ・ダンサーとのコラボ“Deep into”も魅力的でした。違う種類のダンスを差別しないのも橋本さん、加藤忠さんのこだわり。
 傘を持った後ろ姿がまるで少女の様なcomakiさんの“Rain”はクラシック・バレエの美しさとcomakiさんの表現力の豊かさに打たれました。そんなイメージとは真逆の“Katharsis”は、白い衣裳を着た男女がまるで投獄され処刑されてゆく様なダンスです。こうしたダークな作品を否定しないのも橋本さんらしい。
 次はcomakiさんのこれらの中間の作品を観てみたい。
 病気をされてスタジオを離れていたというヒップ・ホップのCHISAKOさんは舞台の立ち姿を拝見するとすっかりお元気で良かった。橋本さん振付の1部オープニングや1部フィナーレで迫力のあるヒップ・ホップの振付やダンスで作品をよりパワフルにされました。2部の終盤にCHISAKOさんと若手の3人が踊る“Waving Through a Window”は作風がガラッと違いました。観ながら“風”を感じたのですが、後でプログラムを見たら曲のタイトルがまさしく“風”でした。
 いづれも素敵なGIFTでした
 つづく。

天野 俊哉



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