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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1651 『こち亀』の聖地で『ドラえもん』〜Higuchi Dance Studio発表会
 亀有なんて何にも無い不便な場所に30年以上暮らした後、22年前に少しは都心に移転。私が引っ越すや巨大なショッピング・モールのアリオや駅前にリリオが出来たり、みるみるうちに開発ラッシュで亀有が近代的な町に蘇りました。それまで我が家では亀有村とか呼んでたのに。駅前から町のアチコチには人気マンガ『こち亀』のキャラクターの銅像が建ったり、すっかり観光地になりました。

 そしてこの度何を間違えたか?あのヒグチ・ダンス・スタジオがこの千代田線沿線の亀有までわざわざ慰問巡業に来てくださいました。
 凄い事です。
 ただ不思議なのは『こち亀』の聖地でありながら今年の公演?発表会?のタイトルが『ドラえもん』であること。
 いや、違うかな?
 ヒグえもん、のぴ太ですね。よーく見ると中国のテーマパークにいる本物に似せた偽キャラクターの様でもあります。
 まあ、大歓迎亀有であるわけだし堅い事は抜きにしましょうね。

 教室が終わって北千住駅のスタバで軽くランチ。千代田線に向かうと次が北綾瀬ゆき。我孫子ゆきまで10分待つことに!何時もながらこの亀有駅のひとつ前の駅止まりに泣かされます。当然の事ながら亀有駅に着いたのは開演20分前。リリオのエレベーターは中々来ないので会場のある9階までエスカレーター経由の階段じゃあ。
 着いたのは開演10分前。
 「なんでいつもこうなるんだろう?」
 会場で着席してプログラムを開きながら耳を傾けると聴こえてくるのはもちろん『ドラえもん』の主題歌。
 やっぱり『こち亀』じゃない。
 前回はプログラムも舞台進行も観客参加型のクイズが潜んでいたのですが、今回はごくごく普通のプログラムだったので安心しました。今回も前半しか拝見出来ないので結末の分からない途中退場はストレスになるからです。
 私の前の席に着席された初老の女性が膝の上でお弁当を拡げた途端「場内での飲食はご遠慮ください!のアナウンスが。あまりのタイミングの良さに笑ってしまいましたよ。

《プログラム第1部》
 ヒグえもんとのぴ太のお人形が進行してゆくのは楽しい。夏休み中の子供さんは大喜び、って一番喜んでいるのは私かも?
 オープニング・ナンバーはこの日の為のオリジナル。HIDEBOHさん振付の“始まりは、いつも晴レレレ〜オープニングリグリTAP”なる笑えるタイトルでした。中身は本格的なショー・ナンバーで、装飾や中割や早替えを効果的に使って凄い展開を見せます。HIDEBOHさんが後ろで踊ったりするのも驚きでした。また、AkkinさんとKurikoさんのシンメというのも初めてでしたけど実に豪華ですねぇ。
 さて、Akkinさんの振付は女性ヴォーカルの入った“It Don't Mean A Thing”で上手、下手のサス明かりのソロからパワフルにスタート。照明が入ると女性4名。そして4色のベレー帽の衣裳がいかにもAkkinさんらしい。よーく見ると年齢もレベルもバラバラなのにそれを全く感じさせない振付と指導力は流石だと思いました。後半走りながらダンサー達が入れ替わるダイナミックな演出にも拍手。
 拝見してとても勉強になりました。
 若手のダンサー6名を使っての金子真弓さんの振付“SING”は「黒と白のダイヤのデザインを衣裳のどこかに使うってね!」という随分と難しいお題を出したもの。目つぶしを使ってそのままフェード・アウトしてゆくまで金子さんのフィーリングを受け継いだ体の動きが楽しめました。金子さんは白の衣裳を着てのJPOPの“蝶々結び”というナンバーにダンサーとして一緒に参加してましたがあんなにジャズ・ダンスが踊れる人とは知らず目が釘付けでした。
 さて、その選曲なのか?照明なのか?衣裳なのか?フォーメーションなのか?タップのリズムなのか?アームスの使い方なのか?
 始まった一瞬でChoreography by Kurikoと分かるKurikoさん作品に今回惑わされてしまいました。私としたことが!
 赤い帽子を被った男性を中心に8名の女性がステップを踏むのですが、帽子と衣裳だけ見ると秋らしく?もしくはカントリー風にも見えるし。シャツの柄がなかなか個性的でついつい目がいってしまい困りました。いつものKurikoさんスタイルとは真逆でしたが、音楽の明るさや空気を生かした振付が斬新でした。帰りにプログラムを見たらご本人も出演されてたなんて!
 もう!
 1部の最後にはヒグえもんとのぴ太が本当に登場したのでもう大爆笑でした。しかもヒグえもんは青いキグルミを着たMAYUさんでした。フィナーレは二人のケンカから始まる“座頭市ナンバー”で、このダンスにもってゆく演出の上手さには毎回感心させられます。

 まだ終わりませんよ!
 残念ながら1部18曲しか拝見出来ませんでしたが、先にあげた女性インストラクターの皆さんの振付はもちろん素晴らしかったのですが、本音を言ってしまうとさらに私が唸ってしまったナンバーがありました。
 まずひとつ目はKENICHIさん振付の“雨に唄えば”で、こんなスタンダードでクラシカルな曲を2019年風に振付してしまったセンスの良さに拍手。傘を開いたり閉じたりするオーソドックスな流れを入れつつ、コンドス・ターンみたいな技も忘れず、こんな盛り上がる“雨に唄えば”は初めてでした。お見事でした。

 そしてもう文句なしに感動したのが火口ひろ子先生振付作品でした。女性2人の男役と娘役のデュエット・ナンバーで、特に男役の方のフィーリングに驚きました。あれって指導しきれるものなんでしょうか?あの振付は神業ですね。ピアノ曲を使ってのバラエティに富んだ振付、中でも「ジャンケン、ポン、あっち向けほい」をダンスで見たのは2回目(ちなみに最初は松本晋一振付の東京リズムボーイズ・ナンバー)。以前NTDでの火口親幸先生トリビュートの映像で、親幸先生とのデュエット・ナンバーにおけるひろ子先生が実にチャーミングでいらしたので、今回そうした魅力満載の振付作品を拝見出来て嬉しかったです。

 来年も是非うかがいたいです。

天野 俊哉



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