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Vol.1643 ボクシング映画にどっぷり@
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最近Y'sのホームページはラグビーの話題一色の様ですが、同じスポーツでも私はボクシングです。もちろん闘う方ではなく観る、それも映画で観る方であります。
ボクシング映画というとシルベスター・スタローンの『ロッキー』、ロバート・デ・ニーロの『レイジング・ブル』、クリント・イーストウッド監督の『ミリオンダラー・ベイビー』等、名作が多いのが特徴です。かつてのハリウッド映画では、ボクシング映画なんてカーク・ダグラスの『チャンピオン』、ロバート・ライアンの『罠』位しか思い浮かびませんでした。こんなボクシング音痴の私を驚かせてくれたのが書店で売られているコズミック出版の10枚組DVD BOXの新シリーズ
《ボクシング映画コレクション》
『リングに賭けろ!』
『栄光のチャンプ』
の2種類でした。
残金ながら1930年代から50年代にかけて製作され、版権の切れた古い映画ばかりですがあまりにも本数が多いのと、色々なハリウッドスター達がボクサーを演じているのが面白くて20作品全部を観てしまいました!
《こんなスターが!》
『麗しのサブリナ』のウィリアム・ホールデン
『風と共に去りぬ』のクラーク・ゲイブル
『哀愁』のロバート・テイラー
『海賊ブラッド』のエロール・フリン
『お熱いのがお好き』のトニー・カーティス
『ジャイアンツ』のロック・ハドソン
こんなロマンス映画の甘いマスクのスター達が上半身裸でリング上で殴りあうのですよ!
さらには西部劇の大スター、ジョン・ウェイン。MGMミュージカルの踊るスター、リカルド・モンタルバン。ギャング映画の大スター、ジェームズ・キャグニーetc.
《ミュージカルっぽい》
流石に『ロッキー』だ『レイジング・ブル』だのアカデミー賞を狙うような大作レベルではなく、あくまでプログラム・ピクチャー(映画館の上映スケジュールを埋めるために製作された低予算B級映画)として一月程度で大量生産された作品ばかり。その中にはクラーク・ゲイブルが主演した『スタアと選手』みたいなミュージカル映画もあります。アステアの『踊るニュウヨーク』の振付師ボビー・コノリーが担当したタップ・ダンス場面がたくさん出てきます。
また、ジェームズ・キャグニー主演の『栄光の都』ではキャグニーの恋人役のアン・シェリダンがアンソニー・クインと社交ダンスのペアを組みタンゴ、ワルツ、クイック等のスタイルを派手に踊りまくるのです。
ミッキー・ルーニー主演の『Killer McCoy』ではルーニーと父親役のジェームズ・ダンがリング上でのチャリティ・ショーでタップダンスをデュエット。振付は今年亡くなった『雨に唄えば』の監督、スタンリー・ドネンでした。ボクサーと言えどハリウッド・スターが演じる訳ですからタキシードを着ても格好よく決まり、必ずパーティに出掛ける場面が挿入されており、そこではスタジオ・オーケストラによる“コンチネンタル”や“ブロードウェイの子守唄”がゴージャスに演奏されているのです。
《モンタージュ場面の魅力》
主人公がチャンピオン目指して日々トレーニングに励む場面、アメリカ各地を巡業してゆく移動の汽車、巡業先の新聞の見出し、会場での観客の応援場面、そうしたパッパ画面が切り替わってゆく事をモンタージュと言うのですが、昔のハリウッド映画ではこれが物凄い分量で圧倒されます。ファイト場面なんてその都度相手のボクサーも観客も愛人役の女性の衣裳も違う訳ですからね。モンタージュ場面の監督やそれをテンポよく編集して映画を盛り上げてゆくスタッフには頭が下がります。
《ボクサーの伝記》
ボクシングは正式な競技として認められる前は街中で殴りあうストリート・ファイトでした。やがてロープを張ったリングで決められたルールに従い闘う様に。
エロール・フリンが初めてのチャンピオン、ジム・コーベットを演じた『鉄腕ジム』にはそんなボクシングの歴史も解説されており楽しめます。
《ボクサーになる前は》
ハリウッド映画ですのでそんなに理屈っぽい展開はありません。チャンピオンを目指すか、お金が必要だからボクサーになるのですね。伝記映画『鉄腕ジム』のエロール・フリンのボクサーになる前の職業は銀行員、『群衆は叫ぶ』のロバート・テイラーは聖歌隊の歌い手、『倒れるまで』のウェイン・モリスはホテルマン、『栄光の都』のジェームズ・キャグニーは新聞販売員、『ゴールデン・ボーイ』のウィリアム・ホールデンは何とヴァイオリニスト?ほかにも炭鉱夫、画家、ホーボー(無賃乗車の列車で各地を転々と渡り歩いた労働者)など様々であります。比較的お金にならない職業が並んである様ですが、タップ・ダンサーが無いのが不満であります。
つづく。
天野 俊哉
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