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Vol.1634 森田洋輔&The BAND『A Touch of Tap』
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森田洋輔さんが以前よりチャレンジしたかったというタップと歌のショーをこの夏に開催しました。
頂いたフライヤーには森田さんと4人のプレイヤー、そして岩田映子さんのお名前。その横に描かれたタップ・ダンサー、ピアニスト、ベーシスト、ドラマー、サックス・プレイヤー、シンガーをイメージしたイラストがとてもお洒落で森田さんのセンスの良さを感じます。
裏返すと森田さんの言葉が添えられていました。
《A Touch of tap》
「肌触りのよい音
音楽と料理と酒と皆様の心地好い時間に寄り添いたい
(中略)
タップの感触があなたの心に届きますように」
森田洋輔
とあり、文章や文字の並べ方にも森田さんらしさを感じます。
予約の時にお食事付きかドリンク付きを選択するシステムでしたが、私は午後の時間帯だったのでお食事付きでなくドリンクだけにしました。
当日は長い梅雨が明けたばかりの超夏日。新宿の靖国通り沿いにある龍生堂薬局のあるビルの地下にあるミノトール2新宿というライブハウス。ステージをぐるっと囲んでテーブルと椅子が並んでいます。入場するとそこには本日の主役である森田洋輔さんがいて、何と森田さん自ら私達お客を席までご案内。ステージ下手側のベストポジション、みすみ“Smilie”ゆきこ先生のお隣に案内されました。みすみ先生はさすがお食事付きを頼まれたようでとても美味しそうなお料理プレートを召し上がってます。そうなんです、こうしたライブの時のお料理プレートって何故か当たるんですよね。
失敗したぁ!
周りはみすみ先生や森田さんのお弟子さんが沢山いらしてるみたいで皆さん明るく楽しんでいらしてショーが始まる前からアットホームな雰囲気。また、近くには森田さんのご家族の方々がいらして、小さなお子さん達も。
思い出したのが、もう8年も前にみすみ先生とカンパニーの皆さんが代々木で公演を開催した時、森田さんが“All the Things You Are”を歌い始めた途端に泣き出した赤ちゃんがいて、お父さんと場外に飛び出した!なんて事があったのですね。その終演後に森田さん「あれ、甥っ子なんですよ」と説明してましたが、その時の赤ちゃんが成長して目の前にいる子?かも。
ステージ上手にはドラムとウッドベース、ステージ下手にはサックスとピアノ。今回ピアニストの方だけが白いシャツを着ているのでオカシイナ?と思っていたら本番中に森田さんからダメ出しされていました。森田さんとプレイヤー4人が阿吽の呼吸が良く取れていて気持ち良く拝見出来ました。自己紹介のコーナーでは音楽雑誌にインタビューされた方、CDを発売された方、アイドルグループに音楽を提供している方、そして小林幸子さんの演奏をしている方など大活躍されてるプレイヤーの方ばかりなのでかなり驚きました。
オープニングはタップ界のレジェンドのスタイルを織りまぜたアカペラからスタート。師匠から学んだステップをキチンと踏む姿にみすみ先生も嬉しいでしょうね。森田さんのタップは全く無駄が無くて彼の性格そのままが現れているから優しい!強いリズムも力任せでなく計算されたものなので嫌味がありません。
心地好いタップを聴きながら森田さんと初めてあった日、一緒に稽古してきた日々、『JAM TAP DANCE COMPANY公演』のジャム・セッションに強豪たちと並んだ姿、師匠のみすみ先生と『東京リズム劇場』でデュエットした姿など次々と思い出してしまいました。
曲ではサックス・プレイヤーの方が作曲した“パエリア”というラテン系のナンバーやベーシストの方が作曲したナンバーが面白かった。途中で何度もリズムの変わる“I've Got You Under My Skin”が凄く刺激的で今まで大勢のタップ・ダンサーが踊ってきましたが、今回の森田さんのリズムが最高でした。
然り気無い森田さんのMCがまた楽しかった。彼が大好きだと言うエンタテイナー、サミー・デイビス・ジュニアの十八番“Me And My Shadow”を“All of Me”の曲にかえて森田スタイルで表現したタップ・ナンバーも素晴らしかったです。
森田さんは歌えるので単なるタップだけのショーにならないのが強味。そして今回、森田さんが『東京リズム劇場』で何度も顔を合わせてきた岩田映子さんをシンガーとして招いたのに驚きました。というのも彼らが歌でデュエットしたのは『2018年の東京リズム劇場』でのラテン・ナンバーだけのはずだから。ところがどうでしょう!黒のドレスを着て登場する岩田さんがもう素晴らしいDIVAで一瞬でお客様のハートを掴んでしまったのです。紅一点を演出した森田さんのセンスにも拍手。さらに森田さんの歌声に岩田さんの歌声がとてもキレイにマッチするのです。お2人の相性がこんなに良いなんて!これ、もとをただせばリズム劇場を演出した松本晋一さんのお見立てが良かったわけですものね。中でも日本ではペギー葉山さんが山びこの歌詞で歌ったという“echo”というデュエット曲が面白かったです。また森田さんの友人の方を偲んで岩田さんとデュエットした“Harmony”というしっとりとした曲が感動的でした。岩田さんは全く踊らず、シンガーに徹した事も大成功でした。
ソロ・タップ・ダンサーとして今回の様なショーに挑んだ森田洋輔さんに最高得点を差し上げたいと思います。そしてこれからも彼が思い描くレストラン・カフェでのアットホームなショーをどんどん企画して頂きたいと、タップ・ファンとして望みます。
お疲れ様でした!
※写真の掲載は承諾を得ています。
天野 俊哉
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