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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1631 なつかしい魔法のやかん
 ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催がいよいよ迫ってきました。1873年にアジアで初めてラグビーの試合が行われ、今大会の決勝戦の地でもある横浜のランドマークプラザイベントスペースで開催されたオリジナル・アートプログラム「ART SCRUM(アート・スクラム)」を鑑賞しました。ラグビーの経験があり、今もなおラグビーへの熱い想いを持った、日本を代表する15人の美術家、音楽家、建築家、デザイナーが、ラグビーボールなどをテーマに制作した作品を展示したものです。ラグビーのフィフティーンになぞらえて15人ってところが粋というか、心ニクいです。
 高校生の頃にラグビー部と美術部に所属し、アトリエにも通っていた私にとっては至高とも言える展示内容で、食い入るように鑑賞させていただきました。その中の一つに目が留まりました。題して「魔法のやかん」。作者は東京藝術大学ラグビー部のマネージャーだった画家の永山裕子さん。“魔法のやかん”と聞くと、往年のラグビー選手やファンの方の中には「なつかしい!」と思われる方もいらっしゃるのでは?最近の試合ではすっかり目にしなくなりましたが、かつてはラグビーの試合中に選手が倒れると、アルマイト処理された黄金に輝く魔法のやかんを持った控えの選手が駆け付けて、倒れた選手の顔や頭にジャーッとやかんの水をかけると、あら不思議。選手はすくっと立ち上がりプレーに戻って行きました。自分もこの魔法のやかんで意識を回復、でも試合中の記憶がない、なんてことが何度かありました。当時は当たり前のように使われていたこの魔法は、現在の感覚からすると、実はかなりヤバくてキケンな行為のようです。現在は、マッチドクターが選手に脳しんとうか、頭部の外傷があるかどうかを慎重にチェックすることが徹底されています。そのおかげで選手交代のルールも緩和され、控えの選手も試合に出られるチャンスが増えるというメリットも生まれました。
 ラグビーといえば青春ドラマですね。自分もその影響でラグビーを始めた口ですが、先生が試合に負けた部員たちを「俺はお前たちを殴る!」と、涙を流しながら拳でブン殴るなんてことは、ドラマですらあり得ない世の中になってしまいました。もちろん暴力は反対ですが、愛の鞭のありがたさを知っている人は、人にやさしくなれる、と思うんですが、時代錯誤でしょうか。
 久しぶりに魔法のやかんの水を浴びて、シャキッ!としたくなりました。どうでもいいですね。

Y's取材班



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