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Vol.1621 高島パパこと俳優高島忠夫さん追悼
 今では息子さん達の方が有名な高島パパこと俳優の高島忠夫さんが亡くなりました。奥様は宝塚の男役として一世を風靡した寿美花代さん。高島さんは1930年生まれとの事なので私の父と同い年であります。テレビ映画劇場での軽妙な司会者ぶりや奥様と組んだ料理番組『ごちそうさま』でのエプロン姿が懐かしい。また、生まれたばかりのお子さんを事件で亡くされた高島さんご夫妻の辛そうなお姿もいまだに記憶に残ります。

 関西弁のコミカルなイメージが強すぎるので、映画俳優としての高島さんとは距離を置いてきたものです。高島さんは新東宝映画や宝塚映画のスターでしたが、プログラム・ピクチャー(上映スケジュールを埋めるために製作された低予算作品。B級映画)ばかりなので名画座で上映されても観に行く事もありませんし、たとえDVDとして発売された作品を観ても私の中では辛い点数が付いたものです。すみません。
 それでも我が家の押し入れの奥から高島さん絡みのDVD映画を探してみましたら
『娘十六ジャズ祭り』
『サザエさんとエプロンおばさん』
『福の神サザエさん一家』
『キングコング対ゴジラ』
『君も出世ができる』

など娯楽映画が並びました。実写の『サザエさん映画』シリーズは最近手に入れたばかりの海賊盤DVD(コラムVol.1603をご参照)、『君も出世ができる』なんて高島さんの訃報を聞く数時間前に、新宿のディスク・ユニオンでサントラ盤CDを手にとって眺めていたばかりです。
 では作品ごとに若き日の高島さんをチェックしてみましょう。

『娘十六ジャズ祭り』
(1954年新東宝映画)

 戦後日本のミュージカル映画をほとんど一人で支えていた井上梅次監督作品。雪村いづみさん売り出しに高島忠夫さんフランキー堺さんらが絡む。お話は詰まらないけどジャズやバラードの演奏や歌は本格的。バンドでベースを演奏する高島さんとドラムを叩くフランキーさんは三枚目のお笑い担当。

『サザエさんとエプロンおばさん』
(1960年宝塚映画)
『福の神サザエさん一家』
(1961年宝塚映画)

 全10作製作された江利チエミさん主演の実写サザエさんシリーズ。才能溢れる江利さんの魅力あふれるサザエさんが原作のマンガばりに大暴れします。松原貞夫氏振付のミュージカル場面が楽しめます。実写版の最後の2作品に出演した高島さんは残念ながら脇役で、奧さん役の浜美枝さんを連れて登場しました。

『キングコング対ゴジラ』
(1962年東宝映画)

 アメリカのキングコングと日本のゴジラが対決する東宝の特撮映画大作。映画館で何度も観たものです。コメディ・タッチの展開なのに決して子供騙しにならないのが本多猪四郎監督作品の凄いところ。高島さんと浜美枝さんがここでは兄妹を演じています。

『君も出世ができる』
(1964年東宝映画)

 『ウエスト・サイド物語』の大ヒット以来、日本にもやって来たミュージカル・ブーム。舞台では江利チエミさんと高島忠夫さん主演ミュージカルが話題に。『君も出世ができる』は東京オリンピックの年に東宝が手掛けたミュージカル大作です。主演は先の『娘十六ジャズ祭り』の高島さん、雪村さん、そしてフランキーさんの人気トリオ。ただ、「日本の映画会社が総力をあげてもここ止まり?なんだなぁ〜」と映画館で観終わった後気落ちした事があります。

 こうして映画ではいつも笑顔で、大きな声で、元気いっぱいの高島さんもここ数年は不整脈とパーキンソン病の症状などで芸能界から遠ざかっていたそうです。高島忠夫さんのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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