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Vol.1612 『2019年の東京リズム劇場』フィナーレ
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フィナーレ前に突如現れた企画が、スティーブン・ソンドハイム作詞・作曲のブロードウェイ・ミュージカル『カンバニー』(1970)の名曲“Another Hundred People”。歌うは東京リズム劇場の歌姫、岩田映子さん。後半の踊りは全員が参加するとの指示が。竹下恭平さんが制作した人々の行き交う都会の映像をバックに私達が舞台上を歩き回る見事なアイデア。
つまり、カウントにあわせて上手から下手へ、下手から上手へと舞台を交差しながら歩くのです!しかも死人の様に。私の組はたまたまサスペンス劇場がらみの顔ぶれでした。つまり、先頭が白川希さん(高見沢先生)、その後に橋爪麻美さん(芦屋京子)、その後を天野俊哉(等々力警部)だったので、お芝居で殺されゾンビとなった2人を追いかける等々力警部、とのコンセプトで歩きました?
全員によるアンサンブルを感情を殺して無表情のまま淡々と踊りました。こんなの初めてでしたので面白かったですね!
さて、フィナーレの大ナンバーである“Pennies From Heaven”は昨年中に振付が終了してました。
オリジナルはスロー・バラードで、“空から金貨が降ってくる”という歌詞が魅力のロマンティックな曲です。
ビング・クロスビーのヒット曲で1930年代に映画にもなりましたが、センセーションだったのは1980年代にスティーブ・マーティン主演でつくられたミュージカル映画『ペニーズ・フロム・ヘヴン』(日本ではビデオ発売のみ)で、1980年代に佐々木隆子先生がアメリカでタップ・ダンスの指導を受けたダニー・ダニエルズが振付を担当しました。
映画の中にも登場した「空から金貨が降ってくる!ようにしたい」と松本先生。さらに「ポケットにも金貨を入れてジャラジャラ鳴らしながらステップを踏みます」と説明がありました。
ただ、本番前のリハーサルで必ず誰かのポケットから金貨が落ちたりするので最終的には録音したジャラジャラ音だけでゆく事になりました。
まず、歌う冨田かおる先生をはさんで久々の東京リズムボーイズのお2人が渋く踊ります。テンポがかわって私達が少しずつ飛び出してゆき、様々なフォーメーションを繰り広げた後、ダンサブルなユニゾンに。この最後の盛り上がりの中で天井から金貨がわりの金の紙吹雪がドサーッと大量に降ってきたのには感動しました。ゴールドの燕尾服を着た21名が客席からはゴージャスに見えたのでしょうか?
今回はオープニングもこのフィナーレもキャスト全員による総踊りだったのが嬉しかったです。千秋楽で、このフィナーレ・ナンバーを踊ったあとのテーマソングはとても充実した気持ちでした。
確かに長かった9ヶ月間、私はプライベートでは色々ありましたがこの舞台に立ててほんとうに幸せでした。
素敵な仲間とお客様に感謝を込めて、ありがとうございました。
おしまい。
※リズム劇場シリーズコラムの写真の掲載は承諾を得ています。
天野 俊哉
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