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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1606 女優の京マチ子さん追悼にかえて
 女優の京マチ子さんが亡くなりました。大正生まれだそうですので4つの時代を生きてこられた訳ですね。
 お見事!
 京マチ子さんが戦前の大阪松竹少女歌劇団つまりOSK出身で、黒澤明監督の『羅生門』に三船敏郎さんと主演した大映映画の大スターという事は知っているのですが、実はそれだけしか知らないのですよわたくし。
 「それで何を追悼するんだい?」皆さまのぶちギレたお顔が目に浮かびます。
 すみません。

 最近大きな書店の映画書コーナーには京マチ子さんの評伝(何と新刊)が置かれていて興味はあるものの、映画を観ていないのでは本の面白さは伝わらない、との理由から手にも取っていないのです。
 それでも京マチ子さんに関するものが皆無ではありません。実家の押入れから古い映画雑誌を探してきました。
 「映画の友1956年10月号」
 中学生の時に神保町の矢口書店で買った本です。
 京さんがハリウッドと日本の合作映画『八月十五夜の茶屋』に主演。渡米して撮影にのぞんだ京さんがハリウッドのMGMスタジオを訪れ、そのルポを書いておられます。グラビア・ページにはエリザベス・テイラーやモンゴメリー・クリフト、『踊るニュウヨーク』のジョージ・マーフィ、先の映画で共演したマーロン・ブランド、グレン・フォードらとのスナップも。京さんはどのショットも着物なのに全てデザインが違うのに驚きです。私はいまだにこの『八月十五夜の茶屋』を観ておりません。返還前の沖縄を舞台にしたコメディとかで、マーロン・ブランドは何と日本人サキニ役、京さんは芸者さん役を演じるなんて凄すぎる!是非一度観てみたいものです。京マチ子さんてハリウッドでも通用する国際派女優さんだったのですね。

 話は飛んで昭和の終わりごろ1987年頃の事。千葉県の市川に松坂屋があってその中にカルチャー・スクールがありました。佐々木隆子先生からは私が《市川の出身だから》との理由から市川教室の担当が決まったと説明を受けました。
 感謝しております。
 その教室に隆子先生がお忍びでやって来たから大騒ぎに。
 まあ、もろもろあって。
 お昼のクラスが終わって先生と外に出るとゲームセンターに凄い人だかりが出来ていたのです。どうやらテレビの撮影らしい。カメラの先には《モグラ叩き》ゲームに夢中の京マチ子さんがいた!ほ、ほんものの京マチ子さんです。やはり着物を着てらしてお綺麗でした。隣には隆子先生だし、考えてみたら凄い顔ぶれですよね。私達の後ろには生徒達までがズラーッと見学していました。今でもこの話は生徒達から出るのですよ。
 少しして放送されたドラマでは京さん扮する主婦が家庭での不満をモグラ叩きで解消する!みたいな設定でした。ビデオに残しておけば良かった。

 京マチ子さんは大映という映画会社の専属女優でした。現在、角川映画がその会社の権利を全て持っており、大きなDVDショップに行くとズラーッと作品がならんでいます。このタイミングで京マチ子さんが主演した谷崎潤一郎原作『細雪』を観ようかと思っております。

 京マチ子さんのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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