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Vol.1602 『僕たちのラストステージ』〜なぜ今ローレル&ハーディ?
 実家のある亀有の大型商業施設アリオを歩いていたら映画館のポスターが目に入りました。
『僕たちのラストステージ』
 近づいてよく見ると懐かしい二人の写真が。
 そうローレル&ハーディなるコンビで、彼らの伝記映画の様です。
 ちょっと説明が必要かな?

 映画が音を持たないサイレント映画時代に活躍したコメディのコンビがローレル&ハーディです。痩せて泣き虫のスタン・ローレルと太っていて怒りっぽいオリヴァー・ハーディ。喜劇の王様チャールズ・チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイドくらい有名で、人気があり、サイレント映画が終わりトーキー映画になっても映画出演を続けた息の長いコンビでした。

 私は1920年代から1940年代まで人気を保ったこのコンビの映画をほとんど観ておりません。中学生時代に父と自主上映の会で『宝の山』という西部劇コメディを観たのと映画『ザッツ・エンタテインメントPART2』に収録されている名場面集を観た位です。日本では極楽コンビと呼ばれ、彼らの映画には必ず『極楽』何とかと付けられてました。このコンビの笑いはとても朗らかで嫌味が無いのです。ちなみに1940年代の人気コメディ・チームのアボット&コステロには凸凹コンビ、1950年代のコメディ・チームのマーティン&ルイスには底抜けコンビと呼ばれました。

 運良くこの作品と巡り会えた事に感謝しつつ映画館に向かいました。何故か都内で昼間に上映されているのが亀有だけでした。GW真っ只中のシネコンは劇混みでしたが我らがローレル&ハーディはまあまあの入りでした。
 スタン・ローレル役をイギリスのコメディアン、スティーヴ・クーガン。オリヴァー・ハーディ役をアメリカの俳優ジョン・C・ライリーが演じ、イギリスのジョン・S・ベアードが監督。また、ジョン・C・ライリーがゴールデン・グローブ賞の主演男優賞を受賞しているなどなかなか実力派が揃った作品の様だ。
 映画の始まりが1937年、ローレル&ハーディ全盛期のしかも先に挙げた映画『宝の山』の撮影場面からでした。やがて映画は18年後の落ちぶれた彼らの姿を描きます。どうしても映画にカムバックしたくて舞台で再起を賭けるのがテーマでした。私など彼らの本当の姿を知らないまま半世紀過ぎてしまいましたので驚きの連続でした。落ちぶれたローレルがアボット&コステロ映画の看板を羨ましそうに見上げる辺りが「なるほど!」と思ったりしました。主演コンビを演じるふたりがローレル&ハーディの歌と踊りを実に魅力的に再現する場面に涙が止まりませんでした。コメディ・チームにありがちな仲が悪いのに仕方なく組んでいたのではなく最後までふたりで頑張り続けた事が素敵でした。
 製作課程など知りたいことが沢山あったので帰りに¥850のプログラムを購入。サイレント・コメディやローレル&ハーディの存在を知らない人達に分かりやすく、イラスト等も交えて解説してあるのがとても親切で良いプログラムでした。

 もっともっと大勢の人に観てほしい映画だと思いましたが、こうしたマイナーな映画を日本に輸入して上映しようじゃないか!という映画愛に満ちた関係者がいる事に感心しました。

天野 俊哉



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