TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.1597 平成最後のレヴュー観劇〜OSK日本歌劇団
 この時期、何から何まで『平成最後の』が付いてるので、Y'sのホームページでも右にならえ!とばかりこんなタイトルをつけてみました。3月から4月にかけて日本が誇る三大レヴュー劇団が東京で公演を行いました。まずは大阪のOSK日本歌劇団公演から。

 《シアターガイド》誌が廃刊になってから「何処で何を上演しているのか?」スマホを別にすれば、置かれているチラシや貼りだされているポスター頼みになりました。たまたま新橋の博品館ビルに立ち寄った時に見つけたのがOSK日本歌劇団の『レヴュー/春のおどり』のチラシでした。日程をチェックすると、かろうじて行ける日が1日だけあったので、すぐに新橋演舞場までチケットを買いに行きました。
 この日、劇場前には《リハーサルの為に休演》の貼り紙が。さらに茶髪、金髪、銀髪の派手なヘアースタイルをした女性の集団が大きなトランクをひいては集まってました。宝塚と違い、顔も名前も全く分かりませんが、間違いなくOSKの方たちだ!横目でチラチラ見ながらチケット売り場に飛び込む。今回は、S席¥9500をパスし、ケチって3階A席¥5000を購入しました。

《唯一無二の男役、桐生麻耶トップスターお披露目》
とあります。でも、2014年秋に日本橋の三越劇場で初めてOSK公演を観た時もお披露目じゃなかったかな?わずか4年でトップスターを辞めてしまうのですね。宝塚以外の、例えばSKDなんかもっと長くトップスターだった方ばかりなのに勿体ない。
 でも仕方無いのかな?

第1部
『春爛漫桐生祝祭』
山本友五郎/作・演出・振付

 “祭り”を主題に日本の様々な和の踊りを魅せるレヴュー。
 3階席から見下ろすと、トップさん含めて40名のキャストでセリ、盆、花道等の舞台機構を備えた広い演舞場の舞台を埋めるのは大変な事だと感じました。
 それでも今回は花道や客席通路までフルに活用する演出で広がりを見せていました。チョンパで始まるプロローグの《さくら祭》はいささか間延びしてましたが、コミカルなしらみ茶屋の《節分祭》は楽しめ、《葵祭》はドラマティックな展開が魅力的、《天神祭》《エイサー祭》《ねぶた祭り》等の各地の祭りナンバーは日本人の血が騒ぎます。そしてフィナーレの《桐生八木節》は豪華絢爛、ただ桜の葉っぱが降ってこないのは演出効果としてはマイナスでした。あと残念なのは、トップの桐生さんを除くと、誰が2番手で誰が3番手なのか?等のスターの判別がつかない事でした。私の観賞レベルの低さもあって、目の前に繰り広げられる和の世界を楽しむまでゆかなかった、というのが本音。
 上演時間50分。

第2部
『STORM of APPLAUSE』
平澤智/作・演出・振付
奥山賀津子・三井聡・KAORIAlive/振付

 やや欲張ったタイトルで、STORM(嵐)の様なAPPLAUSE(喝采)を受け100周年へと向かうOSK!を表したとのこと。
 演出・振付の平澤智氏は2000年代にタップダンスのバラエティ・ショー『Shoes On』のレギュラーだった方ですが、最近では宝塚のレヴューやショーでタップとはまるで縁の無いモダンなダンス振付を担当して記憶に残る良い作品を発表しています。演出も兼ねたレヴュー作品は初めてだそうです。平澤氏がどの様な構成で展開するのかを早く知りたいので¥1400もする高価なプログラムを購入しました。振付スタッフには宝塚の振付をされてる三井聡氏とKAORIAlive氏も参加しているので大いに期待して開演を待ちました。
第一章プロローグ
 トップさんのお披露目という事でサス明かりの中で桐生麻耶さんが歌い始める、ややリサイタル・チックな幕開け。ゴールドの衣裳のメンバーがラップのリズムが入る曲を熱く踊る。
第二章FATE STORM
 真っ赤なオペラ・カーテンの前でスタート。クラシックの曲を使ったKAORIAlive氏の素晴らしい、独特のムードを持った作品。3階から見ると上からフロアに当てる照明の変化や派手なフォーメーションも楽しめました。
第三章WANDER
 十字架を前に大人の雰囲気をダンスで表現した宝塚っぽく展開する作品でした。
第四章HALLELUIAH
 真っ赤な衣裳での中詰。呆れるくらい踊りまくるのでどうしたことか?と思いきや全員が舞台にぶっ倒れて暗転、というユニークなラストでした。
第五章劇場
 初めて見る奥山氏の振付作品。舞台上からジョーゼットが降りてきて上品なムード。ダンサーは白のタキシード、白のドレスで登場。
第六章ROCKET
 三井氏振付の現代的なサングラスをかけたりする元気なラインダンス。派手なジャケットを着た若手男役の翼和希さんが歌いながら若手娘役を名前を呼び、一言紹介を入れながら紹介するのですが、これ昨年の『TRBタップダンススタジオ発表会』で松本晋一さんが生徒達を相手に見せてくれた演出と同じでした。また、娘役のオレンジとグリーンの鮮やかなコントラストの衣裳は、私がかつて淺野康子さんに選んで踊ってもらった衣裳と似てました。
第七章FINALE
 中段の階段が表れ黒燕尾服を着たトップさんと男役のダンス。三味線の音が聴こえる面白い演奏のジャズ。
 続いてブルーのワンピースを着た娘役が加わり豪華なペアダンス。曲は昔から私とは縁のある“Goody-goody”というのも嬉しかった。
 さらにラテンのアレンジの珍しい“Cheek to Cheek”へと続きました。
第八章PARADE
 全員の挨拶で緞帳が降りて、再び緞帳が上がると皆さんの手には小さなパラソルが。ああっ!これがあったんですね!OSK日本歌劇団のテーマ“桜咲く国”の合唱が。開いたり閉じたりの簡単な振付なのに盛り上がる盛り上がる!この日最大の歓声が上がりました。お客さんてこういうの好きなんですね。
 平澤智氏の構成と演出は桐生麻耶さんを上手く活かしつつ40名のメンバーをもバランスよく使っており好感の持てる物でした。ひとつ難は、上演時間の60分がベースにあるせいか、ナンバーによっては時間が少し長く感じました。
 「もう少し見ていたかったなぁ〜」と観客に思わせる演出があっても良かったかも知れません。

 OSK日本歌劇団のレヴュー公演、次も必ず観に行きたいです。

天野 俊哉



Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.