|
|
| | |
|
|
|
|
| | |
|
Vol.1578 もうすぐ生誕100年ペギー・リー〜ジャズ・シンガー
|
|
今回は、King of Swingと呼ばれたクラリネット奏者ベニー・グッドマン楽団の専属歌手からジャズ・シンガーへと飛躍を遂げた歌手のペギー・リーを取り上げます。私が13歳の時に初めて買ったLPレコードが映画『ホワイト・クリスマス』のサントラ盤でした。あの頃は毎年クリスマス時期になると必ずこの映画がテレビ放映されていましたね。ビング・クロスビー、ダニー・ケイ、ローズマリー・クルーニー、ヴェラ・エレンが歌い踊る華やかなミュージカル・コメディの名作です。早速買ってきたレコードのジャケットを見た私はガーン!ローズマリー・クルーニーじゃない人が写っていたからです。
「なんじゃ!こりゃ!」
『太陽にほえろ』の松田優作を真似たわたし。
ビング、ダニーの横にはローズマリーのかわりに違う女の人、そう《ペギー・リー》という人が写っていたのです。ライナーノートによると、ローズマリー・クルーニーだけがレコード会社との契約の問題でこのサントラ盤の録音に参加出来なかった!との事。よってビングと同じレコード会社のペギーが代役として参加する事になったそうです。当時も今もこのサントラ盤におけるペギーにはかなりの違和感がありますが、それは彼女だけが本格的なジャズ・シンガーだったからです。
若くしてベニー・グッドマン楽団の専属歌手となったペギーは1941年から43年の間に何曲ものヒットを出しました。楽団が出演したミュージカル映画にも登場した事でその姿を見ることが出来ます。
『The Powers Girl』(1942)
ジョージ・マーフィとアン・シャーリー主演のユナイト映画のミュージカル映画。見物は4曲もの演奏を見せるベニー・グッドマン楽団の勇姿。スター・プレイヤーがほとんどいない中、後にペギーと結婚する事になるギタリストのデイヴ・バーバーが渋い音を聴かせています。ペギーはやや緊張した笑顔で“The Lady Who Didn't Believe in Love”というあまり魅力のない歌を歌います。
『Stage Door Canteen』(1943)
ユナイト映画が製作した戦意高揚のオールスター・キャストによるミュージカル映画。ベニー・グッドマン楽団は別格の扱いでした。ドラムのルイ・ベルソンやピアノのジェス・ステイシーらスター・プレイヤーらが演奏する中に登場したペギーは大ヒット曲“Why Don't You Do Right?”を歌いますが、目線が泳いでいるあたりが笑える。
『Mr. Music』(1950)
楽団から独立したペギーがジャズ・シンガーとして本格的な活動を再開した1950年にゲスト出演したのがビング・クロスビー主演のミュージカル映画『Mr. Music』でした。
パラマウント映画。パーティの会場にビングに呼ばれて登場したペギーは、ビングのピアノで歌いますが途中から有名なダンスチームのマージ&ガワーチャンピオンが加わり華やかなナンバーになります。何でカラー映画にしなかったのか?地味な白黒画面を恨みましたね。
『The Jazz Singer』(1952)
テレビの人気歌手ダニー・トーマスとペギーが主演したこのワーナー映画は美しいカラー作品でした。監督は『カサブランカ』のマイケル・カーティス。ペギーは次からつぎへと素敵な衣裳に着替えて“The Birth of the Blues”や“Lover”等スタンダード・ジャズをたくさん歌います。歌手としては一流とは言え、映画スターではないダニー・トーマスとペギーで105分の作品を引っ張るのは大変で、エンドマークが出た時はホッとしたものです。
ペギー・リーが今日その名声を残せた理由はジャズ・シンガーとして一流だった事に加えて作詞や作曲にまで挑戦したからです。1950年代には自身で作曲したものをヒットさせました。有名なのがウォルト・ディズニー・アニメの名作『わんわん物語』(1955)への楽曲提供とキャラクターの声として歌っております。
と、偉そうに書いてる私ですが、かつて日本でディズニー映画を上映する時は全て日本人キャストによる吹替え版でしたので、私はペギー・リーの声による『わんわん物語』を知らないのです。このタイミングでディズニー・アニメ作品も抑える必要がありそうですね。
今回は女性ジャズ・シンガーとして有名なペギー・リーを取り上げました。興味のある方はYouTubeを検索してみて下さい!
天野 俊哉
|
|
|
|
|
|
| | |
|
|
|