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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1554 大切なタップ仲間が亡くなりました
 『NTD』や『東京リズム劇場』で何度もご一緒させて頂いたタップダンサー仲間の高橋しん子さんが12月16日に亡くなりました。

 私は冨田かおる先生をはじめとするスタジオのお仲間やY'sのみんなほどしん子さんとの接点がないのですが、私なりのしん子さんとの想いでを書いてみたいと思いますので、いつもゲラゲラ笑ってらした明るいしん子さんの為に笑いながら読んでください。

 私が初めて高橋しん子さんを意識したのは、1996年の冨田先生のスタジオの発表会でした。中野ZERO小ホールの客席の後ろから舞台に向かって歌いながら登場したのが、薄井由美子さんとしん子さんでした。先日のスタジオタップ72の発表会でもやはり渡辺かずみさんが歌いながら客席の後ろから登場しました。もちろん何を歌ったのか?上手かったのか?まるで記憶がありません。タップ界ではなぜか客席から登場するのですね。

 1999年から2005年まで、第2期NTDには《毎月各スタジオのリーダーはミーティングに参加しなければならない》というルールがありました。冨田先生のスタジオからは当然冨田先生がみえてましたが、1年間だけしん子さんが代役だったのですね。その初回に早くみえたしん子さん、いつになく緊張してるご様子。
 私の隣に座ったのが運のつき。
 「初日は1分以内に抱負を述べる事になっているんですよ」と私。
 「エッ?」としん子さん。
 やがて全員が集まりミーティングの開始。
 「あのう、どのタイミングで喋るのでしょうか?」
 そーっと聞いてきたので
 「ごめん、あれウソ」
 そーっと答えました。
 あの時の驚きと、安堵のしん子さんの表情が忘れられない。

 やがて『東京リズム劇場』の稽古場で毎週、毎回ご一緒するも私とはお芝居もダンスもあまりご縁がありませんでした。

 『2005年の東京リズム劇場』でのお芝居「アニー」では、穴田英明先生、淺野康子さん、そしてしん子さんの3人が意地悪な先輩アニーを演じましたが、淺野さんはしん子さんとご一緒出来たお陰で大役を乗りきれた!みたいな事をずっと言ってました。
 確かにあの淺野さんは凄かった!

 橋爪麻美さんはダンス場面でしん子さんの振付をうける事が多かった様に思います。穴田先生と薄井さんがデュエットして、橋爪さん達4人の美女がモデルさんみたいに踊る“ANASUI”のしん子さんの振付が素敵で忘れられません。

 『2007年のリズム劇場』のタップ名作劇場での「サウンド・オブ・ミュージック」で私がトラップ大佐の役を頂いた時、しん子さんが大佐の7人の子供のひとりでした。私としん子さんのたった1度の共演でした。
 私が7人の子供たちの前で自分がどうしてタップダンスを捨ててしまったのかを話す長い台詞の場面で、他のみんなと泣くお芝居をするしん子さんが珍しくて印象に残ってます。

 『2010年の東京リズム劇場』のフィナーレでの事。ダンサー全員が後ろに下がってみんながまとまる。同じステップを7回踏んだら8回目にバーッと飛び出す!なるきっかけでした。私と穴田先生が並んだ後ろにいたNANAさんとしん子さんのふたりが何故か5回目や6回目辺りで私達の背中をポンと叩くのですね。スタジオからリハーサルから本番の千秋楽に至るまで毎回ですよ!
 これ、親切なら7回目でしょ?叩くのは。間違える事はなかったけれども私達すっかり遊ばれてしまいました。

 さて第3期NTDでは冨田先生のスタジオ作品の振付をNANAさんが担当してましたが、ある年だけしん子さんが担当する事になり、代表者の先生方が集まるミーティングに初めてしん子さんがみえました。私の隣に座ったのが運のつき。
 「初日は1分以内に抱負を述べる」を始めた辺りでしん子さんへの以前のイタズラを思い出したのですが、真剣に聞いているので「事になっているんですよ!」と続けました。このまま黙っていようかな?とも思いましたが、心のなかで一生懸命考えているみたいなので早めに「ウソですよ」と伝えました。

 今度逢えたら私を騙して下さいね、そのかわり貴女の背中をポンと叩いてあげますからね。

 高橋しん子さんのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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